ニコラウス・コペルニクス(15)

文字数 854文字

ニコラウス・コペルニクスについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
コペルニクスのもう一つの重要な功績は、貨幣の額面価値と実質価値の間に乖離が生じた場合、実質価値の低い貨幣の方が流通し、価値の高い方の貨幣は退蔵され流通しなくなる(「悪貨は良貨を駆逐する」)ことを突き止めたことである。これは、当時ドイツ騎士団国が粗悪な銀貨を鋳造して大量に流通させていたため、隣接するヴァルミアで経済混乱が起きつつあったことに、教会の財務担当だったコペルニクスが気付いたことにより理論化された。
こういうことはコペルニクスのように細かい性格の人が財務担当をしていたからこそ気付いたのですよね。
この理論はほぼ半世紀後、1560年に彼とは別に独自にこのことに気付いたイギリス国王財政顧問のトーマス・グレシャムによって知られるようになり、「グレシャムの法則」の名で知られるようになった。
結局別の人の名前で知られるようになったのですね。
作家のアーサー・ケストラーは「『天球の回転について』は、本として、どんな時代においてももっとも売れ行きの悪い、ワーストセラーだった」と「読者の付かない本」と評している。
え、そんな評価をされたのですか?
しかし、天文学者で科学史家のギンガリッチはこの説に疑問を持ち、現存する初版と第2版601冊を調査し、当時の著名な天文学者エラスムス・ラインホルト所有の本に詳細な書き込みがあって専門的な検討がなされていたことや、ティコ・ブラーエや、ケプラーの師であるミハエル・メストリンが詳細な書き込みをしていることなどを確認した。ギンガリッチはコペルニクスの本は多くの専門家によって読まれ、検討されていたことを証明した。またガリレオが所有していた本は、宗教裁判の後教会から要求された部分の文章を修正していて、出版後の『天球の回転について』がさまざまな人物に買われ、書き込みを通して知的ネットワークができて読み継がれていたことを証明した。
『天球の回転について』は多くの天文学者に読まれて影響を与えたようです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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