パレルモのエウゲニウス(1)

文字数 853文字

プトレマイオスについて調べていた時に『視学(光学)』はラテン語訳のみで残るが、ラテン語への翻訳は今は失われたアラビア語版から、パレルモのエウゲニウスによって1154年頃になされた、という部分が気になって、パレルモのエウゲニウスについて調べてみました。作品集は下の画像から入ってください。
エウゲニウスの画像はなかったので、シチリアの地図を載せます。
パレルモのエウゲニウス(1130年ー1202年)は12世紀後半、シチリア王国のアミトゥス(提督)
提督ということは、学者というよりも役人として活躍した人だったのですか?
パレルモにギリシア系の子として生まれる。ギリシア語とアラビア語を中心とした教育を受け、ラテン語も不得意ではなかった。彼が提督となった12世紀後半のシチリア王国では、教養を持ち多言語を操る、ギリシア人やアラビア人の行政官は珍しいものとなっていた。
当時のシチリア王国にはギリシア人もアラビア人もたくさん住んでいました。でも両方の言語を操れる人はそうたくさんはいない中、エウゲニウスはアラビア語も理解していて、プトレマイオスの『視学(光学)』のアラビア語版をラテン語に翻訳することができました。後にアラビア語版は失われていますので、パレルモという国際都市でたまたまギリシア語もアラビア語もできるエウゲニウスという人物がいたから、貴重な本が残ったことになります。
エウゲニウスの家系は、何代も前からオートヴィル朝で重要な役職を占めていた。父ヨハネス、祖父エウゲニウスもまた提督であった。彼はグリエルモ2世に仕えた後、1190年に提督となった。
オートヴィル朝は、イタリアの中世シチリア王国の王朝(1130年ー1194年)で、一般にはノルマン朝という呼称で知られています。
オートヴィル朝の最後の後継者コスタンツァはハインリヒ7世の父フリードリヒ2世の母になります。ハインリヒ7世にもオートヴィル朝の血は流れていて、その時代について知れば、ハインリヒ7世が生まれる前のシチリアの様子を知ることができるのですね。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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