マルティン・ルター（17）
文字数 834文字
マルティン・ルターについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ルターは「ユダヤ人はわれわれの金銭と財を手中にしている。われらの国にあって、彼らの離散の地にあって、彼らはわれわれの主になったのだ」として、ユダヤ人は労働に従事していないし、ドイツ人もユダヤ人に贈与していないのだから、ユダヤ人による物の所有を禁じて、彼らの財産はドイツに返還されるべきであると主張した。
1度神の声を聞いて自分が正しいと信じた者はどこまでも傲慢になり間違った方向に進んでしまうのでしょうか？
ユダヤ人はドイツにとっての災厄、悪疫、凶事であり、誰もユダヤ人にいて欲しいなどとは思っていない、その証拠にフランスでも、スペインでも、ボヘミアでも、レーゲンスブルクでもマグデブルクでも追放されたとして、ドイツ人はユダヤ人に宿を提供し、飲食も許しているが、ユダヤ人の子供をさらったり殺したりはしないし、彼らの泉に毒を撒いたり、彼らの血で喉の渇きを癒そうともしていない（キリスト教徒がユダヤ教徒に対して述べていた儀式殺人疑惑のことを指す）、ドイツ人はユダヤ人の激しい怒り、妬み、憎しみに値することは何かしただろうか、と論じた。ルターは、大悪魔を別にすればキリスト（キリスト教徒）が「恐れなければならない敵はただ一人、真にユダヤ的であろうとする意志を備えた真のユダヤ人である」とし、ユダヤ人を家に迎え入れ、悪魔の末裔に手を貸す者は、「最後の審判の日、その行いに対し、キリストは地獄の業火をもって応えてくださるであろう。その者は、業火のなかでユダヤ人とともに焼かれるであろう」と述べた。
もしルターがこのような文を書く前に死んでいたら、ユダヤ人への迫害はあれほど酷くはならなかったに違いありません。神はなぜこのような人間を生かしたのでしょうか？
ルターの書いた文章は怖ろしく、それに多くの人が従ったということはショックでした。ナチスの狂気は20世紀だけでなく、16世紀の宗教改革の時から始まっていました。
