残酷な人間は亡霊にならない
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結局亡霊になるのはただ辛い体験というよりも、生きていた時に全人格を否定されるような経験をしたことが原因となるように思います。貴族に馬鹿にされたり破門されたり反乱で捕らえられて目を潰されて幽閉されたり、その落差が激し過ぎた時、納得できずに感情が残り亡霊になってしまうのだと思います。
私の父は第4回十字軍の戦士であった。たくさんの人を殺し随分残酷なこともしてきたが、亡霊にはなっていない。それはそのまま領土をもらってうまくいき、教皇も破門を解いてくれた。成功が続く限り人間は己の行為を反省することはない。
残酷なことをした人間の方が反省することもなくそのまま天国に行っている、逆に生きている時にな悩んだり苦しんだりした人が死後も亡霊になってさまよい続ける、なんかすごく不公平な気がします。神は本当にそういう世界を望んでいるのでしょうか?
神の意志はわからないが、私は残酷なことをして反省もしない魂がウヨウヨ集まっている天国には行きたくない。最初は清らかでもすぐに汚れてしまう。だから神はそういう魂はすぐに人間界に送り返してしまい、人間界での争いは絶えないのであろう。