ボードゥアン4世(5)

文字数 793文字

ボードゥアン4世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
1183年ナザレで行われた家族会議で王は王国の摂政権をギーに委任したが、たちまち無能さをさらけ出して摂政権を取り上げられ、11月にわずか5歳のボードゥアン5世の即位が宣言された。1185年ギーはアスカロンの領地に妻のシビーユを連れ出し、出頭を促す王の命令を無視するだけでなく、エルサレム王に帰服したベドウィン族を虐殺したので、激怒したボードゥアンは王国の全権をギーの敵トリポリ伯レーモンに委譲した。
この時代は優秀な人と無能な人、両極端ですね。不真面目王と言われた私はあんまり人のこと言えませんが・・・
死期を悟った王は「すべての貴人に対して、エルサレムの王のもとに来たることを命じ、王が世を立ち去る時は、すべての者が王の薨去に立ち会った」(年代記より)24歳没。
僕はボードゥアン4世について書かれている部分を読んで何度も泣きました。このような人は滅多にいません。それに比べて周囲の人間はみな俗人で自分のことしか考えていないというのが腹が立ちます。
アラビアの史家エル=イマードは「このらい病持ちの子は、その権威を敬わせることができた」と書いている。十字軍の歴史を書いたルネ・グルッセは「その苦痛と克己に満ちた姿は、十字軍の全史を通じても、おそらくは最も高貴な姿であろう。英雄の雄姿は膿と瘡におおわれながらも、聖人の面影を宿している。このフランスが生んだ王の純粋な肖像を不当な忘却の彼方から引き出して、マルクス・アウレリウス賢帝やルイ聖王のかたわらに置きたい」と称賛している。
多くの歴史学者がボードゥアン4世について称賛しているようです。僕はもっと多くの人にボードゥアン4世や十字軍の歴史を知って欲しいです。
ボードゥアン4世の生涯は衝撃を受けることばかりでした。次回からエルサレム女王となったシビーユについて調べてみます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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