死刑判決の言葉

文字数 2,108文字

今日はミゲル・セルベートに関するエッセイの中で判決の部分を書いたので、死刑判決でどのような言葉が使われたかを紹介します。作品集は下の写真から入ってください。
スペイン語の部分はいつものようにラミロ2世に読んでもらいます。
Nos, síndicos, jueces de causas criminales de esta ciudad, habiendo visto el proceso hecho y formado ante nosotros a instancia de nuestro lugarteniente en las dichas causas establecido,
我々はこの都市で行われた犯罪について審議する代表であるが、この裁判について十分に審議し、また職務代行者からも適切な意見をもらってこの出来事について意見をまとめた。
contra ti, Miguel Servet, de Villanueva, en el reino de Aragón en España,
汝、ミゲル・セルベート、スペインのアラゴン王国ヴィジャヌエヴァ出身の者に対して、
por la cual y tus confesiones voluntarias, varias veces hechas y muchas reiteradas y tus libros presentados ante nosotros,
汝の自白と繰り返された言葉、我々に見せた汝の本によって、
nos consta además el que tú, Servet, has puesto en circulación, desde hace tiempo, falsa doctrina y plenamente herética echandote a la espalda todas las amonestaciones y correcciones, 
汝、セルベートが循環についての本を書いた時から、間違った教義と完全に異端の説を、全ての訓戒と懲戒に対して背後から投げつけたことを我々は明らかにした。
teniendo una maliciosa y perversa obstinación en la perseverancia en sembrar y divulgar hasta la impresión de libros públicos contra Dios Padre, el Hijo y el Espíritu Santo,
悪意と邪悪な執念を持って執拗に広めようとして本を出版し、父なる神と子、聖霊について批判し、
en resumen contra los verdaderos fundamentos de la religión cristiana y por ello manchado de hacer cisma y perturbación en la Iglesia de Dios,
つまりキリスト教信仰の基本となる真実を批判し、神の教会を汚して分裂させ掻き乱し、
por lo cual muchas almas pueden ser arruinadas y perdidas, cosa horrible, espantosa, escandalosa y corruptora,
それによってたくさんの魂を破滅させて迷わせ、まことに怖ろしく腐敗したけしからぬことをしたが、
y no haber tenido verguenza ni horror de erigirte totalmente contra la Majestad divina y la Santa Trinidad,
恥や恐怖を感じることなく完全に神の威厳と聖なる三位一体を否定し、
sin haber sentido aflicción de estar dedicado obstinadamente en corromper al mundo con tus herejías y hediondo veneno herético,
苦悩を感じることもなく汝の異端で汚らわしい毒の異説で世界を腐らせることに執着した、
casos y crimen de herejía graves y detestables, que merecen grave castigo corporal.
その異端の罪はまことに重く、肉体を罰するのがふさわしい。
言葉だけ聞いていると、まるでスペインで行われたルター派プロテスタントへの異端審問の裁判のようだ。
この判決文を聞いていると、よくわからないけど何か重大な悪いことをした人のように思ってしまいますよね。
そして最後は見せしめとして火あぶりにする。これを見た民衆はものすごい罪を犯したのだからこのような悲惨な最期も当然のことと思ってしまう。
これはジュネーブで行われた裁判ですが、昔から行われたカトリックの異端審問と同じような言葉を使うことで、相手が異端者であることを強調したと思います。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色