ウスタシュ3世(4)
文字数 823文字
ゴドフロワとボードゥアンの2人は聖地に領土を得たためこの地に残ったものの、ウスタシュ3世は母国を統治するために帰還した。十字軍遠征でのウスタシュの活躍を示すために、ブローニュで鋳造された銀貨の表面には、エルサレム城壁の上に立つライオンの像が彫刻されている。
1118年、ゴドフロワの後を継いでエルサレム王に即位していた弟のボードゥアン1世が崩御し、先王の兄であるウスタシュ3世に次期エルサレム王位が提案された。ウスタシュは初めは関心を示さなかったものの、最終的に説得を受けてエルサレム王への即位を受け入れた。そしてウスタシュ3世は再びエルサレムに向けて出発した。しかし、彼の一行がプーリャ地方に差し掛かったころ、ウスタシュ3世の縁戚であるボードゥアン・ド・ブールがエルサレム王に即位したという報告を受けたウスタシュは、ブローニュに再帰還した。