父フリードリヒ2世への不満と本当の黒幕

文字数 808文字

今日は2000字家族小説に新しく『父フリードリヒ2世への不満と本当の黒幕』を投稿しました。小説のページには下の肖像画から入ってください。
今回の話は余が主人公になっている。タイトルを見て想像つくと思うが、ほとんどが父上への不満、愚痴のようなものだ。
僕もそう思って聞いていました。でも途中から、ハインリヒ7世は父である皇帝への不満から反乱を起こしたのではないと考えるようになりました。
余はただ愚痴を言ってるつもりだったのだが・・・
ハインリヒ7世の不満は、いつの時代どこの家でもよくあることだと思います。でも反乱という大きな出来事になってしまった、よくある不満を利用して得をした人物がいるからこうなるのです。
ちょっと待て、フェリペ。君はまた何か危険なことをいうのか。
大丈夫です。本当の黒幕が教皇だ、なんてことは口が裂けても言いません。
まったく君の発言にはいつもヒヤヒヤさせられる。いいか、我々が生きているのは宗教改革が始まってすぐのスペインだ。異端審問が盛んに行われた時代だ。教皇の悪口など言ったらそれだけで投獄される。
今の教皇の悪口は言いません。でも歴史の中で教皇の権威は何度も悲劇を生み出しています。ハインリヒ7世の反乱も、教皇にそそのかされなければ多分なかったと思います。
なぜそう言える?
教皇という絶対的な権威を持つ人の言葉だからみな信じ、それによって悲劇が生まれます。十字軍の時もそうですし、ハインリヒ7世の家族もみんな教皇と皇帝の争いに巻き込まれ、悲惨な最期を遂げています。
確かにそうだが、それを我々の生きた時代で言うのはあまりにも危険だ。
わかっています。だから僕もここでつぶやくだけです。
最初小説はただ不満をつぶやくだけにしようと考えていました。でもそれではあまりにもひどいと思って書き足し、タイトルも変えました。不満をつぶやくだけでなく、何かがおかしいと気づいて欲しかったからです。
歴史はいつも複雑だにゃー。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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