ヒューマニズムとルネサンス(8)

文字数 1,668文字

スペイン語の本でのヒューマニズムとルネサンスの部分が当時の医学についてもわかりやすくまとめてあるので、ここでも紹介しています。作品集は下の写真から入ってください。
El médico, en esta época, contraba, para tratar a sus enfermos, con los tres recursos clásicos, la dietética, la cirugía y los fármacos, fundamentalmente de origen vegetal.
この時代の医者は患者に対して古典的な3つの療法を行っていた。食事療法、外科的治療、そして植物から作る薬での療法である。
La pasión por el estudio de la naturaleza, del hombre del Renacimiento, determinó un estudio más exacto de las plantas y de cualidades, lo que incrementaría la Terapéutica Médica.
ルネサンスの人間は自然探求の情熱からより正確に植物の特徴を研究し、そのことで医学の治療法も増えた。
Proliferaron los jardines botánicos donde se cultivaban plantas procedentes de Asia y de América, por su valor nutritivo o por su valor terapéutico.
庭にはアジアやアメリカ原産の植物で、珍しく価値の高いものや治療に役立つものがたくさん植えられた。
El concepto judeo, cristiano según el cual la enfermedad respresenta el castigo de graves culpas se sustituye por la idea griega según la cual la enfermedad esta causada por la perturbación de la armonía de la naturaleza encargada de curar.
ユダヤ教やキリスト教には病気の原因は重大な過失の罰であるという考えがあるが、これはギリシャでは病気の原因は自然に治す力の調和が乱れたことにあると考えられていたのが間違って伝えられたためであろう。
病気の原因が重大な過失による罰だと考えるなら、余が不治の病にかかったのは罰なのか?反乱を起こしたのだから。
病気を過失による罰という考えがある限り、差別が生まれて患者の苦しみに寄り添うことはできなくなります。
古代ギリシャでは病気の原因は自然治癒力が乱れることにあると考えた。それが間違って伝えられ差別が生まれたが、ルネサンス期はギリシャやローマの古典の見直しや修正も行われた。
余は教皇にそそのかされて反乱を起こした。だがそれが重大な過ちで罰を受けなければならないとしたら何を信じればいいのだ?
ハインリヒ7世は数多い余の子孫の中でもとりわけ不憫な子であった。その不幸な人生について、余はどうやって慰めたらよいかわからなかった。
だからこそハインリヒ7世は僕に出会ったのだと思います。僕の父さんはユダヤ人の中でも特別な教えを受け継いでいるので、病気が重大な過失による罰とは考えていません。そしてルネサンスという医学が最も進歩した時代に生まれているので、これから学ぶことで病気に対する理解も深まり、患者に寄り添った治療ができる医者になれると思います。
ああうらやましい。ルネサンスには珍しい遠い国から来た珍しい植物もあってそれが治療に使われている。ギリシャやローマ時代の古典もたくさん翻訳されて読み放題、解剖が行われて人間の体について新しいことがわかる。やっぱりルネサンスに生まれたい、絶対生まれたい!
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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