フルク5世(5)

文字数 1,065文字

フルク5世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
メリザンドと再婚した当初はフルクが実権を握り、アンジュー家出身のフランス貴族を側近として登用したが、先代の側近も登用してバランスを取っていた。しかしアンジュー家出身者を重用していた事実は変わらないため、現地の他の諸侯と不仲になり、1134年に義妹でアンティオキア公ボエモン2世の未亡人アリックスが権力独占のため、エデッサ伯ジョスラン2世とトリポリ伯ポンスと結託して娘コンスタンスに権力を渡さない姿勢を示した。フルクは舅からアンティオキアの摂政と義理の姪コンスタンスの後見を受け継いでいたため、直ちにアンティオキアへ急行しポンスを捕らえ、町の住民たちの支持を取り付けてコンスタンスのアンティオキア公位を確保したが、同年にメリザンドの幼馴染でヤッファ伯ユーグ2世が反乱を起こした。反乱は貴族の支持を得られず失敗したが、背景には現地諸侯と新参者たちの対立があり、フルクが前者の支持者であるメリザンドを蔑ろにしていたことも反乱の一因だったため、以後フルクは妻を尊重して政治に参加させ、1136年頃からメリザンドの影響力が強くなった。
エルサレム王国や周辺の公国は第1回十字軍の遠征以降に作られた新しい国であるはずなのに、複雑な争いが起きたのですね。
この他、アンティオキアを守るため諸侯と相談の上でコンスタンスの夫にレーモン・ド・ポワティエを選び、1134年以後フルクはユーグ2世の反乱に忙殺されアンティオキアに介入できなかったが、アリックスは権力の座から降ろされた。1136年には聖ヨハネ騎士団に王国南部の要衝ベイト・ジブリンを提供して守備を任せ、ダマスカスのアタベク・ムイーヌッディーン・ウヌルと同盟し、北はザンギー、南はエジプト(ファーティマ朝)と抗争しながら領土をよく維持した。だが1137年にはホムスをザンギーに包囲されたウヌルの要請で救援に向かったが、ザンギーの返り討ちに遭い逃げ込んだバーリンを包囲され、身代金と砦を明け渡して退去する苦い敗北を喫している。それでも1140年にザンギーが包囲すると、ウヌルの再要請に応え援軍を率いてダマスカスに接近、ザンギーを撤退させた。この包囲戦をきっかけにウヌルとエルサレム王国は攻守同盟を結び、ウヌルはザンギーから奪取した都市バニヤースをエルサレム王国へ引き渡しエルサレムを訪問、ダマスカスとエルサレム両国の同盟はフルクやザンギーの死後も延長された。
エルサレム王になったからといっていいことばかりではない、なんか大変そうです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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