アン・オブ・デンマーク(2)
文字数 819文字
1603年に夫がイングランド王に即位したためロンドンへ移ってからは、イングランド宮廷の華美な行事や催し物が気に入り、ベン・ジョンソンなどの劇作家による仮面劇をたびたび催し、自分も演じたという。侍女や側近を多数連れての大旅行を好み、保養地バースはお気に入りだった。また建築狂いで、妙な建築物を多数つくって莫大な負債を残し、夫を困らせた。
信仰に判然としないところも夫の悩みになり、結婚当初はプロテスタントであったが、ロンドン移転後の翌1604年にカトリックに改宗した(理由は不明)そうしておきながら死の床で「自分はプロテスタントであった」と告白して亡くなった。アンが亡くなると莫大な負債が残され、夫は悩まされることになった。彼女については「空っぽの頭」と酷評する人もいたという。
政治には関わらなかったが、夫にロンドン塔へ投獄されたウォルター・ローリーに息子共々肩入れし、うつ病気味だったところをローリーに調合した薬を与えられたと言い、夫に釈放を掛け合った。また実現しなかったが、1606年にアンの弟クリスチャン4世がローリーを招聘したいとジェームズ1世に申し入れ、ギアナを征服してプロテスタント国家でスペイン包囲網を敷こうとした。