聖なる土地について

文字数 1,064文字

ミゲル・セルベートに関するエッセイの中で『プトレマイオスの地理学』に書かれている『聖なる土地』について書いたので、ここでも紹介します。作品集は下の写真から入ってください。
スペイン語の部分はラミロ2世に読んでもらいます。
Sin embargo, has de saber, óptimo lector, que, por pura jactancia e injuria, se atribuyó a esta tierra tan guran bondad,
しかしながら、最良の読者ならすでに知っていると思われるが、自慢でも悪口でもなく純粋に、最良の場所と思われてきたあの土地は
puesto que la misma experiencia de mercaderes y peregrinos enseña que ella es inculta, estéril y carente de toda dulzura (comodidad), por lo cual, a la tierra prometida llamala esperada, pero no la alabes en lengua vernácula.
その同じ場所は商人や旅人の言い伝えではそこは不毛の土地で甘さ(快適さ)は全くなく、待ち望んだ約束の土地ではなかった。
第1回十字軍の前、1095年にクレルモンの教会会議で教皇ウルバヌス2世は聖地について『乳と蜜の流れる土地』と演説し、民衆を熱狂させた。
でも実際はそうではなく、第1回十字軍はエルサレムに到着する前に悲惨な戦いを行い、エルサレムではたくさんのユダヤ教徒、イスラム教徒が虐殺されました。
修道士としては聖書の記述や教皇の言葉が間違っていたとは信じたくないが、それによって歴史の流れは大きく変わったのか。
聖書の記述については古い時代のことなのでよくわかりません。また演説をした教皇自身もその記述を信じていたと思います。でも間違った情報が歴史の流れを変え、多くの命を奪っています。
確かにそうだが・・・
教皇や王が間違った情報を信じれば十字軍の虐殺のような惨劇が起き、医者が正しい知識を持ってなければ患者の容態はますます悪くなってしまいます。聖書に書かれているから、昔の偉い学者が言ったから正しいと盲信するのではなく、常に自分の理性で判断することが大切だと思います。
それは現代の日本でも当てはまります。世界中の情報が簡単に手に入るようになっても、人間は間違った情報を簡単に信じてしまうことがあります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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