ポルトガル王ジョアン1世(2)
文字数 1,177文字
1384年1月にフアン1世は、ベアトリスとの間に生まれたミゲル王子(1384ー1385)こそ正当な王位継承者だとして、ポルトガルに侵攻した。レオノールはサンタレンまで進軍したフアン1世にポルトガルの統治権を委譲し、国内はカスティーリャ王国派とジョアンを掲げるアヴィス派に分裂した。
フアン1世もやっとその気になってくれたか。アラゴン王家の証となる物を渡されて騎士団で密かに育てられた子が、アラゴン王家の血筋が途絶えようとしたまさにその時に戻って来て大活躍する、素晴らしい話ではないか。
1385年5月、コインブラで開催されたコルテス(身分制議会)において、カスティーリャ軍を撃退した功績を評価されて、ジョアン1世はポルトガル王に選出された。同年8月、フアン1世が再度侵攻してきたが、アルジェバロータの戦いでこれを大いに破った。ベアトリス女王は退位し、2年余り続いたカスティーリャとの戦い、およびポルトガル内戦は終結した。
ポルトガル王ジョアン1世の生涯はまるで叙事詩のようですね。実際の歴史は必ずしも正義が勝つわけではなく、ちょっとした運の違いで邪悪な者や狡猾な者が生き残って権力を握ったりする、でもジョアン1世はそうではないから聞いていて気持ちがいいです。