ティコ・ブラーエ(25)
文字数 966文字
星に関する事項について、ティコはまた、もし地球が太陽の周りを周回しているならば、半年間の間に地球の位置変化によって恒星に対する角度が変化し、年周視差が観測可能なはずだと考えた(この年周視差は実際に存在する。しかし、それはあまりにも小さく、1838年にフリードリヒ・ベッセルがはくちょう座61番星に0.314秒角の視差を発見するまで検出されなかった)
しかし、ティコはこの説明が別の問題を引き起こすことを指摘した。それによれば、星々は肉眼で小さく見えているが、ベガのようなより目立つ星々はかなり大きく、より小さなポルックスのような星々よりも大きく見え、ポルックスもその他の多くの星々よりは大きく見える。ティコは典型的な恒星の大きさが1分角であり、より目立つ星々はその2倍から3倍の大きさであると確信していた。
彼はコペルニクス派の天文学者クリストフ・ロスマンに宛てた文章で、基本的な幾何学を用いてこの検出不能な年周視差を仮定すると、コペルニクス体系における星々までの距離は太陽から土星までの距離の700倍以上でなければならないことを示した。さらに、それほど遠い星がなお実際に空に見えるような大きさで観測されるためには、平均的な星々の大きさが超巨大ー少なくとも(コペルニクス体系における)地球の軌道よりも大きく、もちろん太陽よりも遥かに巨大であると想定するしかないことを示した。またティコは、最も大きな星々はそれよりもさらに大きくなければならないこと、そして年周視差が誰もが考えるよりもさらに小さいとすれば、星々はさらに遠くにあることになり、それを認めるならば星々の大きさは際限なく大きく想定しなければならないことを指摘した。