ジョルダーノ・ブルーノ(9)
文字数 789文字
1584年、ブルーノは二つの重要な著作を出版した。ブルーノはその著作の中で惑星が天球の上に階層をなして存在しているという説を批判した。2年後の1586年にロスマンが同様の主張を行い、さらに1587年にはティコ・ブラーエも続いた。
ティコ・ブラーエはブルーノと違って自分の領土に巨大な天体観測所を作って緻密な天体観測を続けた天文学者です。天動説を信じて独自の宇宙モデルも考えました。方法も結論も全く違うのに、惑星が天球の上で階層をなして存在しているという説にはどちらも批判しているというのが興味深いです。
ブルーノは無限宇宙が「純粋気体」で満たされていると考えた。これは後に創案される「エーテル」概念のはしりであり、この気体は惑星や恒星の動きに一切影響を及ぼすことはないとされた。ブルーノの宇宙論で特筆すべきことは、それまで信じられていた宇宙が特定の中心から広がる階層球によって成り立っているという考え方を否定し、地球も太陽も宇宙の1つの星にすぎないと主張したことにあった。
地球だけが特別な星であるという当時の常識に挑戦するかのように、ブルーノは神が宇宙の一部だけに特別に心を配ることはないと考えた。彼にとって神とは心の中に内在する存在であって、宇宙のどこかにある天国にいて地球を見ているものではなかった。