ブルゴーニュ公シャルル(2)
文字数 892文字
シャルルは歴代のブルゴーニュ公が追及した「反フランス」と「マース川、モーゼル川の間にある全領域を手に入れる」という目的を継承し、フランスを無力にするためにスペインとナポリのトラスタマラ家と同盟する。オリヴィエ・ド・ラ・マルシュによると、シャルル自身の究極の目的は「その地の君主たちのリーダーとなって、不信者征討に出発すること」という理想的だが漠然としたものであった。
シャルルの野心は、ハプスブルク家を乗っ取り、神聖ローマ皇帝に即位することだったと言われている。そのために皇帝フリードリヒ3世と嫡男マクシミリアンを豪華な宴席に招き、マリーとの縁談とローマ王(次期神聖ローマ皇帝)への推挙を持ちかけるが、皇帝は息子と共に返答を避けて逐電し、以後その人生は衰運へと傾いた。
確かにカール5世は神聖ローマ皇帝となり、広大な領土と権力を手に入れました。でもその前にフランスと争い、フランスに味方をした教皇クレメンス7世と対立してローマを襲います。教皇は無事でしたが、指揮官を失ったスペインの軍隊はローマで凄まじい略奪を行い、たくさんの市民や聖職者が虐殺されました。このような酷いことをした王が勝って神聖ローマ皇帝となり権力を握る、何かが根本的に間違っています。神がこのようなことを望むとは思えません。