ヒューマニズムとルネサンス(1)

文字数 1,637文字

スペイン語の本を翻訳している中で、ヒューマニズムとルネサンスについてのわかりやすい記述があったので、少しずつここでも紹介していきます。作品集には下の写真から入ってください。
スペイン語部分はラミロ2世に読んでもらいます。
El Humanismo, es un movimiento cultural que se desarrolló en Europa durante los siglos ⅩⅣ y ⅩⅤ.
ヒューマニズムはヨーロッパで14世紀から15世紀にかけて発展した文化運動である。
El denominado "príncipe del Humanismo" fue Erasmo de Rotterdam quíen, entre muchas ideas, propugnó mantener una actitud espiritual nueva, vigente hoy en día, que en resumen dice.
ヒューマニズムの第一人者と呼ばれたエラスムス・デ・ロッテルダムは今日でも有効な新しい精神を示したが、要約するとそれは次の言葉に表れている。
"debe ejercerse una crítica aguda sobre las ideas que se reciben, en cualquier campo".
どんな場合でも受け取った考えには鋭い批判を加えなければいけない。
El hombre culto de esta época desarrolla un espíritu crítico frente a la tradición y a la vez está abierto para con los hechos observados.
この時代の教養ある者は伝統の前で批判精神を持ち、時代の観察者となった。
Tomaron como maestros a los clásicos griegos y latinos, sometiendo sus escritos a un análisis riguroso, con el fin despojarlos de errores de transcripción y de traducción.
ギリシャやローマの古典の作品を取り上げても厳しい分析を行い、表記や翻訳の過ちを見つけ出していた。
私は本が大好きでギリシャやローマの古典は何度も書き写し、翻訳を試みた。だが私の時代には批判精神というものは考えられなかった。古典や聖書が絶対的に正しいと信じていた。もしルネサンスの時代に生まれて批判精神を持ちながら本が読めたらもっと豊かな読書体験ができたかもしれない。
ニコラさんはあれだけたくさんの本を読んでいるのに、まだ読みたいのですか?
同じギリシャやローマの古典を読んでも、批判精神が高まった時代なら翻訳や表記の誤りを見つけるという新たな楽しみがある。
そこまでやっていたら百年以上生きても足りないと思いますよ。
エラスムスの本は教皇レオ10世が読んで感激して作者に手紙を送ったという話が残っている。レオ10世はルネサンス期のメディチ家に育ったから、そうした精神がよく理解できたのであろう。だがその後エラスムスの本は禁書になってしまった。
同じ人の書いた本が教皇が褒め称えたり禁書になったりするのですか?
我々の生きている16世紀は、ルネサンス期の本がたくさん出版されながらも、それが次々と禁書になる時期だった。そうした本を持っていただけで異端者とされる時代である。
怖ろしい時代です。
だから我々はルネサンスの書物に触れ、批判精神を持ちながらもそれを隠して生きなければならない。
今の時代は本を持っているだけで殺されるということはまずないです。禁書となる本はごくまれにありますけど。でも逆に批判精神は失われて、ネットの情報をよく考えもしないで広めてしまうという人もたくさんいます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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