フランス王ルイ7世(14)

文字数 934文字

フランス王ルイ7世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい、
内政では堅実に足場を固め王権強化に取り組み、都市のコミューンを承認する証書を与え、王権の味方を増やして貴族を牽制した。これも父の代から始まった政策の継続だが、王領の外に限定したコミューンを王領内部の都市でも認めて範囲を拡大した。また第2回十字軍の参加で王権が司教座へ影響力を及ぼしやすくなり、司教座に国王証書を発給し、王から司教座へのレガリア(俗権)の取得を義務付け、役人と近親者を司教に補佐して司教座支配の強化も図った。一方、家政機構で特定の専門がセネシャル(食膳長)、シャンスリエ(官房長)、コネターブル(主馬長)などの役職を世襲・独占するようになり、王の直轄領の役人であるプレヴォも世襲と業務請負が見られ、家政機構の整備は国王会議の専門組織分野と合わせて次の王フィリップ2世の課題となった。
ルイ6世とルイ7世の時代にフランスの内政はかなり整いました。これはシュジェールのような優れた相談役がいたことと、ルイ6世もルイ7世も修道院で育ったということが大きいのではないかと思います。宮廷で育てばどうしても権力争いや政略結婚の影響を受けてしまうので、そうならないで幅広い教養と知識を得たことが王になってから役立っているような気がします。
アリエノールと離婚する前と後でルイ7世の行動に変化が見られ、積極的で無謀な軍事行動を繰り返した1140年代とは対照的に、慎重かつ執拗な戦略でもってヘンリー2世に対抗する姿勢へと変わっていった。これはルイ7世の心境の変化の表れと見做され、アリエノールとの結婚生活で敢行した出兵は、妻に夢中で彼女を振り向かせたいがために張り切った行為で、離婚してからは本来の自分を取り戻したと推測されている。離婚に至った理由は、成長して自意識が芽生えたルイ7世とアリエノールの間に生じた相性の悪さの他、ルイ7世が王朝存続のため男子継承者を望んだからと思われる(将来アリエノールが男子を産んだとしても、彼女は十字軍で醜聞にまみれたため男子の出生に疑惑が生じる危険性を孕んでいた)
ルイ7世はアリエノールにかなり振り回されていましたが、離婚後は本来の自分を取り戻しているように思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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