カスペの妥協(4)

文字数 1,032文字

カスペの妥協でのアラゴン王候補者の続きです。作品集には下の画像から入ってください。
フェルナンド・デ・アンテケラ(1380年ー1416年、30歳)カスティーリャ王子。カスティーリャ王フアン2世(1405年ー1454年、5歳)の叔父で摂政も務めていた。母レオノール(1358年ー1382年)はペドロ4世の王女でマルティン1世の同母妹。
他の候補者の年齢がルナ伯ファドリケ(マルティーノの庶子)8歳、ウルジェイ伯ジャウマ2世(アルフォンソ4世の男系の曾孫)30歳、ガンディア公アルフォンソ1世(ハイメ2世の男系の孫)78歳、ルイ3世・ダンジュー(母ヨランドがフアン1世の王女)7歳なので、フェルナンド・デ・アンテケラの年齢30歳というのはかなり有利かと思いました。
そしてフェルナンド・デ・アンテケラと呼ばれたのは、即位前の1410年にグラナダ王国の支配下にあったアンテケラを征服したからです。
レコンキスタで活躍して名声もあったというわけか。
フェルナンド・デ・アンテケラはカスティーリャ王フアン1世と王妃レオノール(アラゴン王ペドロ4世の娘)の次男として生まれています。
レオノール(1358ー1382)は私フアン1世(1350年ー1396年)の妹で8歳年下です。
カスティーリャ王位は1390年に兄エンリケ3世が継ぎますが、1406年に27歳で早世し、甥で2歳足らずの遺児フアン2世が王位につくと、その母后カタリナと共に摂政を務めます。
エンリケ3世の妃カタリナ・デ・ランカステルの母はコンスタンス・オブ・カスティル、漫画に出てくるカスティーリャ王ペドロ1世とマリア・デ・パディーリャの娘です。父フアン1世の父はペドロ1世と戦ったエンリケ2世です。
つまりカスティーリャはペドロ1世とエンリケ2世の争いがあったのが、子孫でまた一緒になっているのですね。
しかもイギリスのランカスター家の血まで混ざってくる、ああややっこしい。
フェルナンド・デ・アンテケラの家系をさかのぼると、父フアン1世(カスティーリャ王)、父方の祖父エンリケ2世(カスティーリャ王)、父方の祖母フアナ・マヌエル、母レオノール・デ・アラゴン(ペドロ4世の王女)、母方の祖母レオノール・デ・シシリア(シチリア王女)ということになります。
いろいろな国が複雑に入り組んでいる。
アラゴン王はいろいろな国や諸侯の利害関係、さらには聖職者の利害(教会大分裂)も加わって複雑な中、カスペの妥協という会議で選出されることになります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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