アンリ・ド・マルル

文字数 1,515文字

バル公ロベール1世とその妻でフランス王ジャン2世の娘であるマリーの長男であるアンリ・ド・マルルについて紹介します。作品集は下の画像から入ってください。
バル公の紋章です。アンリ・ド・マルルについては肖像画が見つからなかったので紋章を使いました。
アンリ・ド・マルル(1362年ー1397年)はフランスの貴族、マルルおよびオワジー領主。フランス北東部の諸侯バル公爵家の嗣子であった。
バル公ロベール1世とその妻でフランス王ジャン2世の娘であるマリーの間の長男として生まれ、王家の外孫としてフランス宮廷で育てられた。1380年、従兄のシャルル6世王がランスで戴冠した際に、新王より騎士叙任を受けた。
アンリは王家の外孫として宮廷で育てられ、従兄のシャルル6世から直接騎士叙任を受けた、かなりよい立場にいたわけですね。
ごく幼い頃にロレーヌ公ジャン1世の娘イザベルと婚約していたものの、彼女は1381年、クシー領主アンゲラン7世の後妻となってしまう。
婚約者を奪われるというのはかなり屈辱的なことですか?
そうでもない。結婚は領土を広げるための手段であるから、婚約者を奪われたら別の相手を探せばいい。
1383年から1388年にかけ、シャルル6世が行ったフラマン人の反乱鎮圧の遠征に参加した。また一方で、痛風に冒された父に代わり、バル公領の摂政を務めた。
私の義兄になるアンリは長男としてかなり活躍していました。
1383年、許嫁を奪ったクシー領主アンゲラン7世が先妻イザベラ(イングランド王エドワード3世の娘)との間にもうけた長女マリー・ド・クシーと結婚する。妻はマルルとオワジーの所領を持参した。さらにマリーは広大なクシー家領、ソワソン伯領の女子相続人でもあった。
許嫁を奪った相手の先妻の娘と結婚するというのは、現代人の感覚ではちょっと信じられないのですが・・・
ロレーヌ公の娘イザベルと結婚するよりも、イングランド王エドワード3世の血を引くマリーの方が血筋はいい。
それにマリーはクシー家領とソワソン伯領まで持ってきました。義兄アンリはうまいことやって領土を広げています。でもこれはアラゴン王家にとってもよいことです。妻ヨランドの実家バル家が栄えるのですから。
1396年、弟フィリップや義父クシー卿とともに、ブルゴーニュ公爵家の嗣子ヌヴェール伯ジャンの指揮下で、オスマン帝国への十字軍遠征に参加する。同年9月25日のニコポリスの戦いで十字軍は壊滅的な敗北を喫し、アンリは他の係累の人々と一緒に生き延びたものの、トルコ人の捕虜となってしまった。義父クシー卿は軟禁先のブルサで死んだが、アンリ自身は身代金が支払われたおかげで解放された。ところがこの身代金はヴェネツィア共和国政府が立て替えしたものであり、ヴェネツィアが肩代わりした身代金を支払うまでは、アンリは法的にはヴェネツィア共和国の担保物件として扱われる羽目になった。さらに、アンリは未だトルコ人の捕虜となっている弟フィリップを解放するための身代金をも調達せねばならなかった。しかし自身と弟の身代金を用立てる間もなく、アンリはペストに罹患してトレヴィーゾで急死した。遺骸はパリのセレスタン修道院に移送、安置された。弟フィリップは解放されることのないまま、翌1398年に獄死した。
酷い話です。ブルゴーニュのバカ息子が無計画な戦い方をしたニコポリスの戦いでは多くの者が戦死し、また捕虜になりました。その中にはヨランドの実家バル家の長男アンリとフィリップも含まれていました。義父バル公ロベール1世は長男と次男を同時に失ったのです。それなのにあのバカ息子は解放されてフランスに戻り、さらにバカなことをしました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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