ゴドフロワ・ド・ブイヨン(4)
文字数 795文字
1095年、ローマ教皇ウルバヌス2世がヨーロッパ中の諸侯に十字軍遠征を呼びかけ、聖地エルサレムの解放と東ローマ帝国が1071年にセルジューク朝に奪われた広大な東方領の奪還のための軍事支援を要請した。ゴドフロワはこの要請に応じ、リエージュ司教やヴェルダン司教に自身の領土を売り払い、得られた資金で自身の十字軍軍団を結成した。
他の諸侯らも同様に自軍を集めて十字軍遠征に備えていたが、その中でも最も大規模な軍勢を従えていたのが、後に対立することとなるトゥールーズ伯レーモン4世であった。レーモンはこの時すでに55歳であり、遠征に参加した諸侯の中で最も老齢でかつ最も経験豊富な十字軍諸侯であったため、十字軍の総司令官として全軍を率いることが期待されていた。