ポルトガル王ジョアン1世(1)

文字数 1,373文字

1383年にポルトガル王フェルナンド1世が亡くなり、唯一の後継者ベアトリスが女王となりますが、彼女はカスティーリャ王フアン1世と結婚していて、ポルトガルの王位はカスティーリャが狙っていました。そんな時、ペドロ1世の庶子であったジョアン1世がポルトガルを救うことになります。作品集には下の画像から入ってください。
ジョアン1世(1357ー1433)はポルトガル王国アヴィス王朝の創始者でポルトガル王(在位1385ー1433)ペドロ1世の庶子でフェルナンド1世の異母弟。エンリケ航海王子の父に当たる。政治、軍事の多くに成功を収め、ポルトガルの全盛期の基礎を築き上げたことから「大王」と呼ばれている。
ジョアン1世は異母兄フェルナンド1世とは12歳年が離れています。
父王の3番目の王妃イネス・デ・カストロの死後、妾妃テレサ・ロレンソとの間に生まれた。
え、ペドロ1世はイネスに夢中になっていたのに、彼女の死後は他の女の人とも付き合って子供が生まれたのですか?
武勇に優れ、青年期はアヴィス騎士団の総長を務めていた。
ペドロ2世の子ハイメ1世もテンプル騎士団の拠点の1つモンソン城で育てられていましたよね。
そう、余の息子ハイメは若い時は苦労したが、立派な王になった。そうだ、フアン1世、愛人との間に庶子を作って騎士団に入れておけばいい。
ペドロ2世、何を突然言い出すのですか?私には愛人などいませんでした。
どうせ不真面目王というあだ名がついているのだ。愛人の1人や2人いてもおかしくない。そして生まれた子供は隠しておいて、騎士団に預けるのだ。
庶子や末弟の王子は修道院に入れるというのが習わしですよ。
修道院ではだめだ。ラミロ2世の例がある。馬に乗れずに剣も持てないから貴族達に馬鹿にされた。修道院ではなく騎士団に入れておけば、戦いの訓練もみっちりやってもらえる。王家の庶子や末弟の王子を修道院に入れてはだめだ。騎士団ならばいざという時に役に立つし、もし必要なく生涯を終えても騎士団の総長という肩書がもらえる。
そんなこと言われても、私には愛人も庶子もいませんでした。
惜しいことをした。もし庶子がいて騎士団に入れていたら、フアン1世もアラゴンを救って黄金時代を築いた大王の父という立派な肩書をもらえたのに・・・
どこをどう探しても私には愛人も庶子もいません。いたら苦労しなかったです。
1383年、異母兄フェルナンド1世が死去すると、その娘のベアトリスが女王に即位し、その母のレオノールテレスが摂政となり、レオノールと貴族による専制政治が始まる。
1383年の時、ジョアン1世は26歳でした。
それに対してジョアン1世は反王妃派に支持され、ポルトガル王国内における勢力基盤を築き上げた。戦争に疲弊し、経済的に困窮する都市の下層民や職人層の反乱がベアトリスの即位前から各地で勃発し、都市下層民と一部の貴族はカスティーリャとの戦争で利益を得たレオノールとその寵臣であるオーレム伯アンデイロを悪政の元凶として敵視していた。
私も王妃とその寵臣に宮廷を牛耳られて王国の財政を傾けたのであんまり人のこと言えませんが、かなり酷いですね。
なんでフェルナンド1世はこんな酷い王妃を選んだのか、わからないです。
この後カスティーリャのフアン1世が王位を狙って絡んでくるので、状況はさらに複雑になります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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