父の再婚と異母兄弟
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余の場合、アルフォンソ兄上と余は父上が再婚した2番目の王妃から生まれている。だが父上は異母兄の長男ペドロ兄上を跡継ぎと考え、それが揺らぐことはなかった。特に余は子供の頃から修道院で育ち、自分が王になると考えたことは1度もなかった。
余はほとんど父上と離れてドイツで暮らしていたから、異母弟たちとも直接会ったことはない。だが、異母弟の中でも嫡子となるコンラート4世の存在は、教皇が余をそそのかして反乱を起こさせるための理由として使われた。『このままでは御父上は対立しているあなたを廃位して、コンラート様を跡継ぎになさるでしょう』と言われた。
亡霊になってからは、もう弟たちに対する恨みはなかった。生きている時に会ったことはなかったけど、みんな同じ父上の子であるという懐かしさを感じた。それにそれぞれが自分の生涯が短かったり自由にはなれないことがわかっていながら懸命に生きている姿を見て感動も覚えた。
私が王になったのは37歳の時ですよ。反対しても父上は強引に結婚してその後10年近くも生きた。最初の妻は亡くなり、2番目の妻はフランスから来て気が強かったから私は逆らえなかった。せめて跡継ぎができればと願ったが、生まれた子はすぐに亡くなり、娘2人しか育たなかった。こんな状況で王になって、どうやってやる気を出せばいいのか。
僕も5歳で母が亡くなった後、父さんはすぐに再婚してしまいました。継母に毎日苛められ7歳で修道院に入れられました。自分で生きられない子供の時に親の都合で人生を決められてしまうのは本当にひどいことだと思います。