シチリアへの思い

文字数 1,254文字

今日は『フェニキア文字とヘブライ文字』で、ポエニ戦争のきっかけはシチリアだったという話を書きました。作品集のページには下の画像から入って下さい。
なんだこの絵は!また余が見たこともない不気味な動物が出ている。
ポエニ戦争で検索するとこういう画像がたくさん出てきます。この大きな動物は日本語ではゾウと言ってアフリカやアジアに住んでいます。
紀元前の話は余の知らないものばかり出て来るから面白くない。余は話についていけない。
僕もラクダやゾウは実際に見たことはなく、本で読んで名前を知っているだけです。でも知らない世界のことを知るのは楽しいです。ラミロ2世もせっかくのチャンスです。チャットノベルでいろいろなことを知れば、賢人として尊敬されます。
余は修道士だ。賢人になどなりたくない。
いえ、ラミロ2世は修道士の亡霊でそれはもう変わりません。でもいろいろな知識を持っていれば尊敬されます。
そうそう、私は修道士だが、幅広い知識を持つ賢人として有名になり、遠くからも人が訪ねてくるようになった。賢人になると人生は本当に楽しい。
話がそれてしまったので元に戻します。この中にはシチリアに関係のある人が何人もいるので、それぞれシチリアへの思いを語ってもらいます。
余ペドロ2世(1174ー1213)の妹コンスタンサ(1179ー1222)はシチリアのフリードリヒ2世と1209年に再婚した。コンスタンサはたくさんの女官や吟遊詩人、騎士を連れてパレルモに入城し、シチリアに洗練されたフランス風の宮廷文化を持ち込んだ。
そして甥のハインリヒ(1211ー1242)が生まれた。余はシチリアへ行ったこともなければ甥のハインリヒに会ったこともないが、ハインリヒが生まれた知らせを聞いて喜んだ。息子のハイメ(1208ー1276)が生まれたのは3年前だった。
余が生まれたのはシチリアだが、余は長い間ドイツで暮らしていた。だからシチリアでの思い出はあまりない。
私がシチリアに住んでいたのは30歳から60歳までの30年間、1244年から1274年にかけてである。ハインリヒ7世や彼の母上コンスタンサは知らないが、フリードリヒ2世、そして1266年からのアンジュー家が支配するシチリアを知っている。
シチリアに住んでいた時は楽しかった。パレルモの街に行けば王宮やイスラム教徒、ユダヤ教徒の礼拝堂とか珍しい建物がたくさんあって、食べ物もおいしかった。市場に行けば魚以外の海の生き物もたくさん売っていた。
シチリアは昔から多くの民族が住み、そのために争いも絶えなかった。紀元前にはポエニ戦争のきっかけとなり、アンジュー家の支配下に入った後、1282年にはシチリアの晩鐘事件があって、今度はアラゴンの支配下に入ることになった。
目まぐるしいですね。
豊かな土地、交通の要所ほど奪い合いも激しく、シチリアは様々な争いに巻き込まれてきた。
豊かな土地、そして聖地などは争いに巻き込まれやすい。そこがよい場所であればあるほど、人間は争って自分のものにしなければ気がすまないからな。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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