ティコ・ブラーエ(13)

文字数 985文字

ティコ・ブラーエについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
1577年の彗星の観測を記したティコ・ブラーエのノートです。
ティコ・ブラーエは1577年11月から1578年1月にかけて北の空に見えた大彗星を観測した。ルター派の間では彗星のような天体は黙示録的な終末を伝える強力な予兆であると一般に信じられており、ティコによる観測以外にも幾人ものデンマーク人アマチュア天文学者がこの彗星の観測を行って、差し迫った運命の預言を出版した。
現代でもこういう預言に関する本はよく出版されて売れています。
ティコは地球からこの彗星までの距離が地球から月までの距離よりも遥かに遠く、その彗星の起源が地球圏ではありえないことを突き止め、月以遠の天の不変という命題に対して彼が以前から持っていた反アリストテレス的な結論が正しいことを確認している。
他の人はおそらく彗星を黙示録的な世界観と結び付けて世界はどうなるかを預言したのだと思います。でもティコは彗星を観測してそれがどこに存在しているかを考え、月よりも遠いことを突き止めました。同じ彗星という現象を見て観測し本を出版しても考えたことは全く違っています。
彼はまたこの彗星の尾が常に太陽と反対側に伸びていることを確認した。彼は彗星の直径、質量、そして尾の長さを計算し、それを構成している物質を推測した。
ティコ・ブラーエの考え方は近代的で科学的だと思います。
この時点で、彼はコペルニクスの理論を破棄してはいなかったが、この彗星の観測はコペルニクスモデルに代わる、不動の地球を想定した新たな理論を確立する意欲を彼に掻き立てさせた。
ティコ・ブラーエの考えは地球を中心とした天動説ですが、それでも今までとは違う新たな宇宙論を作り出そうとしています。
この彗星についての彼の原稿の後半部は占星術的、および黙示録的な面を扱っており、彼の競争者たちが出していた予言を退け、それに代わる彼自身の、近未来の悲惨な政治的事件発生の予言を行った。彼の預言にはモスクワにおける流血と、イヴァン雷帝の崩御が差し迫っており、それは1583年までに起きるというものがあった。
イヴァン雷帝に関する話はものすごくたくさんあるのですが、預言で具体的な人物や事件を出しています。正確な観測をすることで、占星術でもより具体的で正確な預言ができるという信念があったと思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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