シュテファン・ツヴァイク（2）
文字数 911文字
シュテファン・ツヴァイクについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
第一次世界大戦開戦後、兵役を免れたツヴァイクはオーストリアの戦時文書課の軍務につき、混迷する世間から引っ込んで暮らそうとした。だが、ガリツィアの戦禍に触れたこと、ロマン・ロランとの交際などから反戦への著述活動を活発化させる。反戦劇『エレミヤ』の初演を機に中立国だったスイスのチューリッヒに渡る。その後『ウィーン新自由新聞』の特派員として記事を送ることを条件にスイスに留まり、ロマン・ロランらとともに反戦平和と戦後の和解に向けた活動に従事する。
ロマン・ロランは国際的に多くの友人を持ち、理想主義的ヒューマニズム、平和主義、反ファシズムを掲げて戦争反対を世界に叫び続けました。
第一次世界大戦の頃は僕達の生きた16世紀とは比べものにならないほど戦争の規模が大きくなりまた複雑になっていたと思います。そんな時代でも一貫して戦争に反対した人がいたのは素晴らしいです。
第一次大戦後はオーストリアに戻り、1919年から1934年までザルツブルクに滞在する。ザルツブルクでの住居はカプチーナベルクのパッシンガー城であった。1920年にフリデリケ・フォン・ヴィンターニッツと結婚する。以降広く知識人と交わり始め、ヨーロッパの精神的独立のために尽力した。この期間には多くの代表作が書かれ、中でも1927年の『人類の星の時間』はドイツ語圏では、彼の代表作とされている。1928年にはソヴィエト連邦を旅行してマクシム・ゴーリキーと交際する。1930年にはアメリカに旅行し、亡命中のアルベルト・アインシュタインに面会して『精神による治療』を献呈する。
この時代は本を出版すれば多くの人に読まれ、またいろいろな国の知識人と知り合いになれたというのはうらやましいです。
1933年ヒトラーのドイツ帝国首相就任の前後からオーストリアでも反ユダヤ主義的雰囲気が強まり、1934年に武器所有の疑いでザルツブルクの自宅が捜索を受けたことを機に、ユダヤ人で平和主義者だったツヴァイクはイギリスへ亡命する。
悪意のある人間が権力を握ることによって何もかも変わってしまうというのは怖ろしいです。
