ミゲル・セルベートの家(2)

文字数 874文字

今日は『スペイン旅行の写真』にミゲル・セルベートの家での続きを紹介しました。作品集には下の写真から入ってください。
後半は追悼式典や講演、献花の様子などを紹介しているのですが、その時は亡霊の方々の存在はほとんど感じませんでした。
我々に構うことはない。我々は人の多い場所は苦手だからずっと2階の展示室にいた。
ああいう場所ならいくらでも見ていられる。気にしなくてよい。
ニコラさんは僕にいろいろな説明をしてくれました。
3人、いやもっとたくさんいたかもしれませんが、彼らは2階のこうした展示を喜んでいたようです。
その頃私は記念式典での講演を聞いていましたが、内容はアラゴンの歴史のようでした。
アラゴンの歴史というと、初代ラミロ1世から、サンチョ・ラミレス、ペドロ1世、アルフォンソ1世、ラミロ2世までの5人の王についてか?
いえ、その時代の王様の名前は聞かなかったので、おそらくペドロ2世の時代の話だったと思います。
アラゴン、いやスペインの歴史の中で余の存在は大きい。
はい、護身術の学校でもペドロ2世は大人気でした。僕たちは歴史の授業では必ずレコンキスタのことを習いますし、ハイメ1世の生涯は子供向きの本にもなっています。
ここでもう1度強調しておく。日本ではまだまだ知られていないが、ペドロ2世、ハイメ1世はスペインでは大人気の王である。
残念ながら私は旅行に行った当時はペドロ2世のことは全く知らなくて講演の内容もほとんどわからなかったです。ただ日本ではレコンキスタ時代について世界史で習うことはほとんどありませんが、スペインではその時代の王様の名前などもみんなよく知っているようでした。
ミゲル・セルベートの追悼式典でありながら、直接人物についての話ではなく、歴史の話が記念講演でされたのですか?
おそらくミゲル・セルベートの人物像などはそこに集まった人にとっては良く知っていて何度も別の式典(2011年には生誕500年)で聞いていたのだと思います。
私1人がよく知らないで講演を聞いていたわけですが、おかげで献花にも参加できて一生忘れられない思い出になりました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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