ギー・ド・リュジニャン（2）
文字数 980文字
ギー・ド・リュジニャンについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
1185年にボードゥアン4世が亡くなると、ボードゥアン5世が王位を継ぐが、まもなく亡くなった。シビーユは女王になるに及んでギーとの離婚を要求されるが、これを拒否し、ギーは共同統治王となる。
ボードゥアン5世はシビーユとモンフェッラート侯家のグリエルモ（ボードゥアン5世が生まれる前に亡くなっている）の子でしたが、幼くして王位につき、すぐに亡くなっています。
ギーが共同統治王になったことでエルサレム王国は滅亡寸前まで追い込まれる、愚かな者が王になるとどうなるかという典型的な例です。私も人のこと言えませんが・・・
トリポリ伯レーモン3世の反対を押し切り、サラディンとの戦いを始め、1187年のハッティンの戦いで大敗し、自らも捕虜となった。共に捕らえられたルノー・ド・シャティヨンは殺されたが、ギーの命は助けられ、1188年に解放された。しかし、すでにエルサレムは没落し、モンフェラート侯コンラードの守るティール等のわずかな地域を残すのみであった。
このあたりのことは映画『キングダム・オブ・ヘブン』に出てきます。映画を見た時は背景がよくわからなかったのですが、今ならばこういうことだったのかとよく理解できます。
1190年にシビーユが亡くなると、エルサレム王国貴族はイザベルを女王にするが、ギーは王位の放棄を承知しなかった。エルサレム陥落に衝撃を受け、第3回十字軍がやってくると、ギーは旧主であるリチャード1世の旗下に参じた。フランス王フィリップ2世はイザベルとその夫モンフェラート侯コンラードの王位を支持したが、ギーはリチャードの支持を受けて1192年まで王位を主張する。1192年にコンラードは暗殺されたが、これはリチャードかギーが暗殺教団に依頼したものだと噂が立った。しかし、シャンパーニュ伯アンリ（リチャードの甥）がイザベルの夫となると、リチャードもこれを支持したため、ギーはキプロスを受け取り、王位を放棄した。
エルサレムは陥落しても王位争いは続き、またエルサレムの陥落がきっかけで第3回の十字軍遠征が始まったのですね。
1194年にギーは亡くなった。兄のエメリーがキプロスを受け継ぎ、以降リュジニャン王家によるキプロス王国が続くことになる。
次回からギーの兄エメリーについて調べてみます。
