フランス王ルイ7世(4)

文字数 1,306文字

フランス王ルイ7世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
シュジェールが遠ざけられた頃から、アリエノールは夫をせっついて無謀な行為に走らせた。1141年に夫にトゥールーズ遠征を行わせた。
アリエノールの祖母フィリッパはトゥールーズの相続人でしたが、叔父のレーモン4世にトゥールーズ伯位を簒奪されています。
トゥールーズ遠征に失敗した後、妹ペトロニーユと既婚者だったラウル1世を結婚させるため、夫を強引に動かし聖職者たちを動員、ラウル1世と最初の妻エレオノール・ド・シャンパーニュを離婚させた。これがエレオノールの兄ティボー4世の怒りを買いラウル1世との対立に発展、同年にはラウル1世の再婚騒動に加え教会と王の叙任権闘争も起こった。ルイ7世はブールジュの大司教に自分の側近を充てようとして教会と対立、ローマ教皇インノケンティウス2世の忠告にも耳を貸さず、教会側が選出した司教就任予定のピエール・ド・ラ・シャトルをフランスに通さず抵抗、インノケンティウス2世からフランスの聖務停止命令が下された。1142年にはティボー4世の代理としてクレルヴォーのベルナルドゥスが教皇の下へ赴き、訴えを聞いた教皇がラウル1世とペトロニーユ夫妻、離婚に手を貸した聖職者3人とルイ7世を破門しても王は反抗的な態度を改めず、アリエノールは王の側近たちから責められるようになった。
ルイ7世の宮廷で17歳のペトロニーユと40歳を超えていたラウル1世が恋愛関係になったようですが、その結果ルイ7世は教会と対立して破門までされているので、アリエノールとペトロニーユの姉妹は本当にトラブルメーカーだと思いました。
やがてルイ7世はシャンパーニュにも介入、1143年、ペトロニーユ・ラウル1世の結婚に反対してピエール・ド・ラ・シャトルを匿ったティボー4世へ攻撃を企て、ヴィトリー=アン=ペルトワの町を攻撃、放火した。この炎が教会に燃え広がり、避難した市民1000人以上が焼かれ死ぬ惨事となり、軍はパリへ帰還したが、衝撃を受けたルイ7世は罪悪感から祈りと瞑想に没頭する日々を送った。
王妃にそそのかされた王が暴走して惨劇を引き起こす、このような出来事は繰り返し起きています。
王と教会の仲裁に出たベルナルドゥスからの叱責を受けた王はインノケンティウス2世の後を継いだ教皇ケレスティヌス2世により破門と聖務停止命令を解かれ、翌1144年6月11日、サン=ドニ大聖堂落成式に出席、シュジェールの仲介でラウル1世共々ティボー4世と和解、ブールジュ大司教をシャトルと認めることも了承した。一方、王と共に落成式に出席したアリエノールは王がシュジェールを再起用して自分を政治から遠ざけ始めていることに気付き、王家への影響力保持のためベルナルドゥスに懐妊の祈りを捧げて欲しいと懇願、翌1145年に長女マリーを出産した。しかしベルナルドゥスからはルイ7世をそそのかして悪行に走らせた存在として警戒され、妹夫婦の破門解除も聞き入れてもらえなかった。
ベルナルドゥスやシュジェールのおかげでせっかく和解が成立したのに、アリエノールはまた余計なことを考えているようですね。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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