ペドロ2世の家族

文字数 1,382文字

2000字家族小説に新しく『ペドロ2世の家族』を投稿しました。作品のページには下の写真から入ってください。
ちょっと画像が大き過ぎる気がする。
そうなんですけど、ペドロ2世が大きい画像を使いたいというので・・・
今回の小説は余が主人公なのだから。大きな画像を使ってもいいだろう。
ペドロ2世の兄弟姉妹は多いですよね。
余の母上、アラゴンの王女コンスタンサもペドロ2世の妹になる。
だからハインリヒ7世は余の甥になる。
ペドロ2世はラミロ2世の兄アルフォンソ1世とよく似ていると思いました。戦争が好きで野心にあふれていて、結婚するのが遅いところなどそっくりです。
戦闘能力に関しては、余はアルフォンソ1世を高く評価している。だが、結婚に関しては比較してもらいたくない。
アルフォンソ1世の場合は王になったのが31歳の時だったので、結婚が遅れるのは仕方ないと思います。ラミロ2世も47歳で王になったから同じです。でもペドロ2世は長男で最初から王になることが決まっていたのに、どうして結婚するのは遅かったのですか?
結婚というのは人生で何度もできることではないから慎重に相手を選んだ。条件のよい相手はすぐに他の者に取られるから、離婚するのを待っていたら年をとってしまった。でもおかげでモンペリエを手に入れることができた。
余が王になったのは47歳の時だったから、相手を選ぶ余裕などなかった。当時は50歳過ぎれば老人とみなされ、年を取ればそれだけ世継ぎが望めなくなる。だからすぐ子供が生まれるように子持ちの未亡人を選んだ。
本当にアラゴンの王様は打算で結婚相手を選んでいるので、愛とかロマンは期待しないでください。
僕はペドロ2世の最大の敵シモン・ド・モンフォールが第4回十字軍にも参加しているということに驚きました。
第4回十字軍についてなら私に任せてください。私の父は第4回十字軍に参加した戦士でした。同じキリスト教徒の国、東ローマ帝国のコンスタンティノープルを攻撃したということで悪名が高いです。
でも結局第4回十字軍に参加した人は教皇の破門をといてもらい、領土も分割して得をしていますよね。どんなに残酷なことをしても、大勢がその流れになってしまえばそれでいいと妥協してしまう・・・
確かにそうだが、そうやって妥協して父が現地の女性と結婚したから私は生まれている。
トゥールーズ伯レーモン6世も別にカタリ派に傾倒したわけではないと思います。ただ領土内に住むのはかまわないのではないかと妥協した、でも教皇はそうした妥協を見逃しませんでした。カタリ派は急激に広がり人数が増えている、今抹殺しなければ危ないと危機感を覚えました。そして十字軍で攻撃し、徹底的に弾圧しています。
余が負けたのは教皇の力を甘く見ていたのが原因のようだ。
領土の争いは、異教徒から土地を取り戻す、異端者を撲滅させるなどもっともらしい理由をつけられればそれが信仰のため、正義のためになります。そして敵に対して残酷になればなるほど、ますますそれが正しいことであるかのように錯覚されます。カタリ派は負け、多くの信者が火刑にされました。そしてこの時代の残酷さは僕の生きている時代とも無関係ではありません。残酷になった側が勝ち、正義となっている時代の流れはそのまま続いています。
ペドロ2世が巻き込まれた南フランスでの争い、複雑で根が深そうです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色