イングランド王ウィリアム1世(4)
文字数 701文字
ウィリアム1世は旧支配勢力のサクソン貴族を駆逐して土地を奪うとノルマン人の家臣に与え、同時に戦時への参戦を約束させ、イングランドに封建制度を確立した。王領もイングランド全域の5分の1に達し、御料林の拡大と直轄軍所有で王権も拡大した。
1070年にランフランクスをカンタベリー大司教に任命、1072年にランフランクスがヨーク大司教を従属させようとして生じた争いに干渉し、カンタベリー側に肩入れしてこれを第1位の大司教と定め、イングランド宗教界を傘下に収めることにも成功した。ローマ教皇グレゴリウス7世は世俗君主による聖職者の任免を問題としていたが、ウィリアム1世はイングランド国内の聖職者に対する国王の優越を主張し、後にイングランドにも叙任権闘争が生じるきっかけとなった。
エドワード懺悔王の財務・文書制度は継承したが、国王裁判所の設置などで司法制度も整え、1085年には最初の土地台帳ともいうべきドゥームズデイ・ブックを作成した。これにより税制度が定められ、同時に軍事力も把握された。1086年にソールズベリーでイングランド全ての領主を集め、自分への忠誠を誓わせた(ソールズベリーの宣誓)この宣誓は以後のイングランド王も繰り返し行い、貴族の家臣である陪臣も国王と直接忠誠を誓う義務を負った。