宗教改革の先駆者ウィクリフ

文字数 1,543文字

今日は宗教改革の先駆者とされ、ヤン・フスにも大きな影響を与えたジョン・ウィクリフについて話題にします。作品集は下の画像から入って下さい。
ジョン・ウィクリフ(1320年頃ー1384年)はイングランドのヨークシャーに生まれた。宗教改革の先駆者とされる人物である。
ウィクリフの思想はカトリックとどこか大きく違っていたのですか?
オックスフォード大学の教授であり、聖職者であったウィクリフは、ローマ・カトリックの教義は聖書から離れている、ミサに於いてパンとワインがキリストの本物の肉と血に変じるという説(化体説)は誤りである等、当時イングランドにおいて絶対的権力を持っていたローマ・カトリックを真っ向から批判した。
聖変化(化体説)については第4ラテラン公会議(1215年)およびトリエント公会議(1545年ー1563年)で公式に認められています。
イングランド国王が英語の聖書を持たないのに、ボヘミア出身のアン王妃がチェコ語の聖書を所有していることに矛盾を感じていた彼は、晩年になってから、彼がかって司祭をしていたラタワースに戻り、聖書を英語に翻訳した。信徒の霊的糧である聖書とそれに基礎を置く説教を重要視し、翻訳した聖書を持った牧者たちを地方に派遣した。
イングランドよりもボヘミアの方が先に聖書が俗語に翻訳されていたのですね。
ウィクリフの思想はボヘミアのヤン・フス、また100年後の宗教改革にも大きな影響を与えた。
リチャード2世とアン・オブ・ボヘミアの結婚により、ボヘミアからたくさんの留学生がオックスフォード大学に入り、ウィクリフの思想を持ち帰りました。
ウィクリフの最後の日々の著書の業績は、彼の学識の絶頂とも言えるものである。ウィクリフの最後の著書「反キリスト」は未完となった。
1384年12月28日の幼児虐殺の日の礼拝に出ている時、脳卒中が再発し、年の終わりに死去した。その後ヨーロッパでフス派が広まった。ウィクリフが当時異端とされなかったのは、イングランド王族でランカスター家の祖であるジョン・オブ・ゴーントの保護があったためであった。
その国の王や権力者の保護があるかないかで、運命は大きく変わってしまうのですね。
ウィクリフは死後30年ほど後、1414年のコンスタンツ公会議で異端と宣告され、遺体は掘り起こされ、著書と共に焼かれることが宣言された。これは、12年後にローマ教皇マルティヌス5世の命により実行された。ウィクリフの墓は暴かれ、遺体は燃やされて川に投じられた。
随分酷い話ですね。コンスタンツ公会議は教会大分裂を解消するために行われたはずです。教会大分裂が始まった背景には教皇庁がアヴィニョンからローマに戻った時、イタリア人を教皇にというローマ市民の圧力で選ばれたウルバヌス6世が酷くて対立教皇が出て教会大分裂が始まりました。でもコンスタンツ公会議では教会大分裂の原因を考えるよりも新しい教皇を選出することで解決しようとしました。そしてその時に異端に対する厳しい取り締まりもありました。カトリック内部の争いを無理に解決して、異端者に対して残酷になることで問題から目をそらしているように思います。すでに亡くなっているウィクリフの遺体を掘り起こして燃やすなどあり得ないほど残酷なことが教皇の命令で行われそれが正しいことにされてしまった、怖ろしいことです。
1401年の反ウィクリフ派法は、ウィクリフの名誉を汚し、ウィクリフに共鳴する者を迫害することを定めた。1408年には、ウィクリフの著書および聖書を英訳して読むことは死に値する異端の罪であるとした。
聖書を英訳して読むことまで禁じられてしまうのですか?
異端の宣告を受けてしまえば、その者の思想や行いまですべてが異端とされてしまうのだ。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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