スペイン語で読むアラゴン2代目の王サンチョ・ラミレス(5)

文字数 1,683文字

長く続いた2代目の王、サンチョ・ラミレスについては今回が最終回です。作品集のページにはいつものように写真から入ってください。
1090  Funda la población navarra de Estella, como etapa del Camino de Santiago y se le un otorga un fuero espirado en el de Jaca.
1090年、ナバラのエスティージャに都市を作ってサンティアゴ巡礼の道の拠点とし、そこをハカと同じような特別市に定めた。
1091  Se construye "El Castellar" para amenazar Zaragoza.
1091年、彼はサラゴサに脅威を与えるために城を建設した。
1092  Se funda torre para acosar a Ejea.
1092年 彼はエヘアを悩ませるために塔を建設した。
1093  La colaboración de barcos genoveses en una toma fallida de Tortosa, evidencia el establecimiento de retaciones internacionales complejas.
1093年 ジェノバ人と協力して失った領土トルトサで戦い、国際的な協力関係を築いていたことがわかる。
1094  Sancho Ramirez muerte a las puertas de Huesca cuando preparada el asalto a la ciudad de Huesca.
1094年 サンチョ・ラミレスはウエスカの入り口でウエスカに対する攻撃の準備をしている時に亡くなった。
攻撃の準備をしている時に亡くなったということは、この時はまだウエスカはアラゴンの領土ではなかったのですね。
はい。この時はまだウエスカ、サラゴサはアラゴンの領土ではありませんでした。
サンチョ・ラミレス王が亡くなり、ラミロ2世が長年住み付き、ウエスカの鐘事件が起き・・・ウエスカという場所はアラゴンの歴史を大きく動かした因縁の場所でもあるわけですね。王家の霊廟があるのもウエスカの修道院ですし、なんか僕たちの住んでいる修道院と同じように亡霊がウジャウジャ住んでいそうです。
フェリペ、私には見えないからよくわからないが、私たちのいる修道院にはそんなにたくさん亡霊が住み付いているのか?
はい、それはもう死んだばかりの人から、長い年月を生きて長老のようになった亡霊の方まで、とにかくたくさん住んでいます。彼らにとって、あの修道院は土地が広くて自然が豊かで修道士の祈りで守られている、亡霊が休んでエネルギーを蓄えるのに最適な場所のようです。
つまり亡霊たちにとって居心地のいいリゾートホテルのようになっているわけですね。
なんだと、修道院長の許可も取らずに勝手に亡霊が住み付いているとは・・・けしからぬ。
修道院長には内緒にしてください。亡霊が住み付くことで修道院にとってもいいことがたくさんあります。たとえばラミロ2世のいたウエスカの修道院、ラミロ2世のような力のある亡霊がいたからこそ、長い年月の間、何度も戦争があったはずなのに、壊されないで残っていたのです。
ラミロ2世はアラゴン王国史上最も弱い王であった。戦闘能力がまるでない王が力のある亡霊だというのはどうも納得できない。
生きている時の戦闘能力と亡霊になってからの力は全く別です。
話しが長くなったので、今日はここで終わりにします。それからここの話を読むとウエスカが古くからいろいろ因縁があるお化け屋敷のような街だと思われてしまうかもしれませんが、現代のウエスカは小さいながらもオシャレなカフェや雑貨店がたくさんあって、私は大好きな街です。
新しくできたカフェや店など、余の目には全く見えない。
いずれまた現代のウエスカの魅力についてもじっくりお伝えします。
にゃんか、ここで聞いていると、ウエスカは亡霊の住む街というイメージが強いにゃあ。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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