バレンシアの歴史(1)

文字数 1,599文字

ビセンテ・フェレールやカリストゥス3世の出身地バレンシアがどのようなところなのか気になって少し調べてみました。作品集には下の画像から入って下さい。
現代のバレンシアはスペインでマドリッド、バルセロナに次ぐ第3の都市で魅力的な観光地であります。火祭りやパエリヤなども有名です。
このような海の近くの明るい場所もアラゴン連合王国の1つになったのか。余が生きていた時、アラゴンは海のない国だった。
余の息子ハイメ1世の時代からバレンシアはアラゴン連合王国の1つとなった。
それではバレンシアの歴史について、順に見ていきます。
イベリア人はこの土地をエデタニアと呼んだ。紀元前138年、約2,000人のローマ人植民者がこの地にワレンティア(強さ、活力の意味)を建設して定住した。ワレンティアは典型的なローマ都市であり、河川が海にそそぐ位置にあり、ローマ街道で帝国の首都と結ばれた。
ポエニ戦争よりは後だけど、バレンシアもまたローマ時代には植民市として栄えたのですね。
紀元前75年にはポンペイウスとセルトリウスの争いによって破壊されたが、ワレンティアは約50年後に大規模インフラ計画とともに再建されると、1世紀半ばまでには急激な都市成長を経験した。地理学者のポンポニウス・メラはワレンティアをヒスパニア・タラコネンシス属州有数の都市と呼んでいる。しかし、3世紀頃に衰退した。その後4世紀にキリスト教化が起こった。
やっぱり島や海のそばの都市が古代は栄えますね。
数世紀後、ゲルマン人のイベリア半島への侵入と、ローマ帝国政権の崩壊による支配者の空白状態が同時期に起こった。554年にはイベリア半島南西部にビザンツ人が侵入し、625年にビザンツ人が追放されると、西ゴート族の軍隊が登場し、古代ローマの円形闘技場を要塞化した。
いろいろな民族が侵入しているのはシチリアとも似ている。
714年にムーア人(ベルベル人とアラブ人)がイベリア半島に侵入すると、バレンシアは戦うことなく降伏し、サン・ビセンテ大聖堂はモスクに転換された。後ウマイヤ朝の初代アミールであるアブド・アッラフマーン1世は755年に都市の破壊を命じたが、何年か後には息子のアブドゥラがバレンシア地方全体に対して自治規制を規定した。10世紀には活発な交易活動が理由でバランシヤと呼ばれるようになった。
交易が盛んな場所は栄えるのですね。私はアラゴン連合王国の王としてカタルーニャもバレンシアも持っていたのに、なぜか王国の財政は傾いて、死んだ時に王にふさわしい立派な棺を作ってもらうこともできませんでした。
1002年にこ後ウマイヤ朝の宰相であるアルマンソールが死去し、支配者の死去に伴う擾乱が起こった後、アル・アンダルスはタイファと呼ばれる数多くの小国に分裂した。そのうちの1つがバレンシアのタイファである。
11世紀のバランシヤはバレンシアのタイファの勃興によって生まれ変わった。そしてカスティーリャ人貴族のエル・シッドはキリスト教徒とムーア人を組み合わせた軍隊でバレンシア地方に入り、1094年から1099年7月までのバレンシアはエル・シッドの統治下にあった。
有名な英雄のエル・シッドはバレンシアの統治もしていたのですね。
アラゴンにとってはエル・シッドは英雄ではない。余の祖父、アラゴン建国の祖ラミロ1世はサラゴサ王国とカスティーリャ連合軍との戦いで戦死した。その時カスティーリャ軍にはエル・シッドもいた。1063年のことだ。
だからラミロ1世の血を引く私達アラゴン王は、エル・シッドに対しては複雑な気持ちです。スペインでは英雄扱いですが・・・
そんな事情があったのですね。
バレンシアは1102年まではキリスト教徒軍の手に残ったが、1102年にムラービト朝が奪還してイスラム教徒の支配に戻った。
バレンシアもまた都市として栄えたけど支配者が次々変わる複雑な歴史があったようです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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