亡霊も成長するファンタジー

文字数 1,225文字

昨日2000字ファンタジーを書いたという紹介をしたのですが、昨日は小説を書いただけで力尽きていたので、今日もう1度小説のテーマなど改めてお話したいと思います。
小説に関しては次の写真を押して作品集のページに入ってください。新しく書いた小説のタイトルは『ハインリヒ7世との思い出』です。それからこの話は前に書いた『モンソン城の歌』がベースになっていますので、そちらも会わせて読んでいただくとわかりやすいかと思います。
昨日も聞いたが、ファンタジーというのは普通は剣と魔法とドラゴンが出てきて余のようなキャラクターが活躍するのだが、そうではないのだろう。
はい、すみません。今回は少年と亡霊の友情をテーマに書いています。そして少年だけでなく、亡霊もまた成長するのではないかということを考えて書きました。
亡霊もまた成長できるとは興味深いテーマである。
はい、まだ前例があまりないのですが、せっかくここでもたくさんの亡霊の方が集まっているのですから、亡霊の成長について考えてみたいと思います。
余の子孫には、生きている時にもう少し成長して思慮深ければと思うものがいる。
それはもしかして余のことか?
他に誰がいる?
余は戦闘能力を高めてレコンキスタで大活躍している。
だがフランスでの戦いでは戦略も練らずに突撃してあっさり戦死している。もう少し思慮深ければあの場で戦死することはなかったであろう。
はいはい、わかりました。余はここでは思慮深さをテーマに戦略を考え、さらに力をつけた強い王になることを誓う。
それからフアン1世!そなたは自分には関係ないと思って話を聞いているだろう。
そうですよ。成長とか努力とかは私の人生から最もかけ離れた言葉ですから。
だから不真面目王などと呼ばれ、王国の財政を傾かせて、亡くなった後に王にふさわしい棺桶も作ってもらえず亡霊になったという情けないエピソードを持っている。
私、フアン1世についてよく知らない読者のために説明します。私の娘ビオランテはフランスのアンジュー家に嫁ぎ、後の勝利王シャルル7世を娘の婚約者ということで不遇な王子を支えています。つまり私は有名な勝利王シャルル7世の義理の祖父になるのです。
それはそなたの手柄ではなく、娘ビオランテの手柄であろう。作者に聞く、このような不真面目な子孫でも成長することはできるのか?
亡霊の成長という前例のない話を書くだけでも難しいのに、フアン1世はあまり紹介できるエピソードがないので難しいです。
今回のファンタジー小説は、余が主人公となっている。余と少年フェリペの涙なくして読めない深い絆が書かれているから、ぜひ読んで欲しい。
ただ、あの話は僕の昔の話なので、今の僕はもっと明るいです。
ハインリヒ7世の亡霊が少年フェリペと出会うことでどう変わっていくのか、続きを期待してください。そして他のアラゴン家の亡霊たちがどう成長するのか、気長に待ってください。
亡霊が成長するにゃんて、聞いたことにゃい話だにゃー。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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