スコットランド王ロバート3世(2)

文字数 1,146文字

スコットランド王ロバート3世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ロバート3世も完全に「名目上の国王」に甘んじていたわけではない。1398年にはスコットランド初の公爵位であるロスシー公を創設して長男のデイヴィッドを叙爵し、同年ファイフ伯ロバートをオールバニ公に叙爵して権力の分散を図った。さらに1399年にはロバート3世自身の障害と隣国イングランドとの衝突を理由に、長男デイヴィッドを王国統監にして王国の支配権を移管した。
スコットランドはいろいろあって大変そうです。
しかし、この権限の委譲はデイヴィッドの素行・力量を無視した人事と言われ、数々の不祥事を起こしたデイヴィッドにやむなくロバート3世も逮捕令を出し、1401年に弟オールバニ公ロバートがフォークランド宮殿に監禁した。
長男のデイヴィッドがこのようなことになってしまって、ロバート3世は辛かったと思います。
翌1402年3月26日から27日にかけて、ロスシー公デイヴィッドはフォークランド宮殿で謎の死を遂げた。長男を失ったショックで父王ロバート3世は、デイヴィッドの死が幽閉時の監督責任者であった王弟オールバニ公ロバートによる暗殺ではないかと疑った。疑いは議会がオールバニ公を査問する騒ぎに発展したが、結局デイヴィッドは「自然死」とされた。
このような形で長男を失ったロバート3世が気の毒です。
議会が自然死と結論付けても、ロバート3世の疑念は晴れなかった。デイヴィッドの次に三男のジェームズも暗殺され、自身の王位も簒奪されることを恐れたロバート3世、1406年2月にジェームズを同盟国フランスの宮廷に送って保護してもらうことにした。しかし出港前にダールトン城に滞在していたジェームズに、オールバニ公ロバートは追手を差し向けた。戦いが始まるとジェームズは手漕ぎボートで脱出、フォース湾のバスロックに逃げ延びた。フランス行きの船が到着するまでの1か月間、ジェームズとその従者は荒れ狂う海の中のこの小さな岩だらけの島に取り残された。
オールバニ公ロバートは酷いですね。
この間にオールバニ公ロバートは、フランス行きの妨害を手配したイングランド王に知らせを送り、イングランド王はジェームズ捕獲の兵を派遣した。結局ノーフォーク沖でイングランド勢によって捕らえられ、捕虜としてイングランド王ヘンリー4世の許へ送られ、以後1424年までイングランドに抑留された。
ロバート3世はあらゆる不幸を体験しています。子供の時は庶子として扱われ、馬に蹴られて大怪我をして体に障害が残り、長男デイヴィッドは監禁されている中で亡くなり、三男ジェームズはイングランドに捕らえられてしまいます。よかれと思ってやったことまで全て裏目に出てしまう、本当に気の毒です。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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