イングランド王スティーブン(2)

文字数 974文字

イングランド王スティーブンについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
ところがヘンリー1世が1135年に死ぬと、スティーブンはヘンリー1世の生前の取り決めや先王の臣下たちの意向にもかかわらず、強引に家臣を率いて所領のフランス・ブローニュからイングランドへ上陸してロンドンに入ると、ロンドン市民と自らの弟ウィンチェスター司教ヘンリーにカンタベリー大司教ウィリアム・ド・コルベイユを説得させ、教会主要人物からも王位継承を承認させ、彼らの推戴を受けてイングランド王に即位した(王の宝物庫の管理はウィンチェスター司教が行っていたので、対マティルダ戦の軍資金には事欠かなかった)
弟のヘンリーがウィンチェスター司教になっていたことで教会を味方につけ、軍資金にも困らなくなっていますね。王位継承者が複数いる場合はいち早く聖職者を味方にして戴冠した方が勝っています。
はじめ安定するかに見えた治世は、マティルダ派の巻き返しによって次第に混乱していった。1136年にはスコットランド王デイヴィッド1世がマティルダの加勢と称して北イングランドへ侵攻、同年にウェールズでもオワイン・グウィネズが反乱を起こした。スティーブンはウェールズの反乱に対応できず放置、スコットランドには譲歩を重ね、1136年の第1次ダラム条約と1139年の第2次ダラム条約でイングランドは北部ノーサンブリアのほとんどを失った。
王位継承に納得できなければすぐに周囲の国がそれを理由に攻めてきて領土を奪われてしまうのですね。
スティーブンの弱点は、生前のヘンリー1世に対して2度も従妹マティルダを王位継承者として受け入れ推戴する旨を宣誓していたことである。マティルダは世襲の権利に基いて王位を請求しローマ教皇庁へ訴えたが、スティーブンが聖職者層に譲歩して支持を取り付けていたため、教皇庁はマティルダの訴えに取り合わなかった。一方、スティーブンは有力者たち(賢人会議)による推戴を王位の根拠にしていたが、この時期までの王位継承にはその両者が必要とされ、それぞれが一方を根拠に王位を主張するという事態の解決は、マティルダの息子ヘンリー2世の登場を待たねばならなかった。
スティーブンはヘンリー1世への誓いを破って王になっているので、聖職者を味方につけてもそこが弱点となって争いが長く続いたようです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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