マルティン・ルター(13)

文字数 1,031文字

マルティン・ルターについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ルターは「人の姿となられた神の言葉としてのイエス・キリストにのみ従う」としてカルヴァン主義に比べてよりも信仰を重視し、信仰義認(信仰のみ主義、ラテン語でSola fideソラ・フィデ)、聖書のみ、万人祭司といった思想を展開した。
個人の信仰というのは場合によっては極端に傾き、危険な思想になります。実際にルターも反ユダヤ主義という極めて危険な思想を持っていました。イエス・キリストにのみ従うと言っていますが、キリストもユダヤ人でした。ユダヤ人を迫害するという思想は根本的に間違っています。
また、ルターはドイツ農民戦争に際し、行為義認ではないが世俗の秩序を尊重する立場から農民暴動を批判している。
ルターはカトリックの制度を批判して今までの価値観をひっくり返した宗教改革を行いました。そこまでしておきながら農民が暴動を起こしてからは領主や市民側に立って暴力を批判しています。自分の身の安全や立場を何よりも重視するエゴイストです。
また、ユダヤ人を改宗しようと試みたが失敗したために『ユダヤ人と彼らの嘘について』(1543年)などを著し反ユダヤ主義的見解を発表し、後のナチスの反ユダヤ政策に通じる提案を行った。
影響力の強い人間が書いた本が歴史を変えてしまう、あってはならないことです。
ルターはカタリナ・フォン・ボラという元修道女と結婚したことでプロテスタント教会における教役者、牧師の結婚という伝統をつくったことでも知られる(なお、プロテスタントでは万人祭司の強調から牧師は聖職者とは呼ばれない)
牧師が結婚して世俗に近くなったことで牧師が富や権力を求めて事件を起こすということもたくさんあったと思います。
聖職者の独身性を採っていたローマ・カトリック教会は、ルターら宗教改革者の結婚を非難した。1582年にケルン大司教が宗教改革を導入すると発表して解任される事件が起こるが、ケルン大司教がプロテスタントに改宗したのは結婚したかったからともいわれる。
聖職者の結婚を認めたことでプロテスタントはとても有利になったようにも思えます。
これらの批判は長年にわたって続いたが21世紀に入ってカトリック教会の性的虐待事件発覚後に聖職者の独身制の意味が疑われている中で再評価され始めている。
確かにカトリックの腐敗も酷いものでしたが、だからと言ってプロテスタントのやり方をよかったと再評価するのも間違っていると思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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