マルティン・ルター(13)
文字数 1,031文字
ルターは「人の姿となられた神の言葉としてのイエス・キリストにのみ従う」としてカルヴァン主義に比べてよりも信仰を重視し、信仰義認(信仰のみ主義、ラテン語でSola fideソラ・フィデ)、聖書のみ、万人祭司といった思想を展開した。
個人の信仰というのは場合によっては極端に傾き、危険な思想になります。実際にルターも反ユダヤ主義という極めて危険な思想を持っていました。イエス・キリストにのみ従うと言っていますが、キリストもユダヤ人でした。ユダヤ人を迫害するという思想は根本的に間違っています。
ルターはカトリックの制度を批判して今までの価値観をひっくり返した宗教改革を行いました。そこまでしておきながら農民が暴動を起こしてからは領主や市民側に立って暴力を批判しています。自分の身の安全や立場を何よりも重視するエゴイストです。
ルターはカタリナ・フォン・ボラという元修道女と結婚したことでプロテスタント教会における教役者、牧師の結婚という伝統をつくったことでも知られる(なお、プロテスタントでは万人祭司の強調から牧師は聖職者とは呼ばれない)
聖職者の独身性を採っていたローマ・カトリック教会は、ルターら宗教改革者の結婚を非難した。1582年にケルン大司教が宗教改革を導入すると発表して解任される事件が起こるが、ケルン大司教がプロテスタントに改宗したのは結婚したかったからともいわれる。