フィリップ・ダルトワ
文字数 1,312文字
フィリップ・ダルトワ(1358年ー1397年)は百年戦争期のフランス王国軍総司令官(1392年ー1397年)ウー伯(在位1387年ー1397年)ウー伯ジャン・ダルトワとその妻イザベル・ド・ムランの間の三男。
1383年、イングランド軍に占拠された町ブルブールを奪取した。その後、エルサレムへの巡礼に赴くが、その地でエジプトのスルタンの捕虜となる。ブシコー元帥とヴェネツィア共和国政府の仲介により、釈放された。1390年、チュニジアでブルボン公ルイ2世の指揮するマーディア十字軍に参加した。
1392年1月28日にパリにおいて、ベリー公ジャンの娘でオーヴェルニュ公領の女子相続人であるマリーと結婚した。シャルル6世王の従妹で資産家のマリーとの結婚はフィリップの宮廷における地位を高めた。同年、オリヴィエ・ド・クリッソンの失脚に伴ってフランス大元帥に抜擢されたのも、義父と妻の影響力の大きさゆえであったとされる。
1396年、ハンガリー王ジギスムント(後の神聖ローマ皇帝)およびヌヴェール公ジャン・サン・プール(後のブルゴーニュ公)を指揮官とする対オスマン帝国の遠征軍に多くのハンガリー人、フランス人貴族と一緒に参加した。遠征軍はニコポリスの戦いで壊滅状態となり、フィリップは他の大勢のキリスト教徒と一緒にトルコ人の捕虜となった。