修道院に入れられた本当の理由

文字数 825文字

2000字家族小説に新しく『僕が修道院に入れられた本当の理由』を投稿しました。作品集には下の写真から入ってください。
前にも似たようなタイトルの話があったが、どう違うのだ?
前に書いたのは『僕が修道院に入れられた理由』で今回は『僕が修道院に入れられた本当の理由』です。本当のという部分が違っています。
ええい、ややっこしい。本当のという言葉が入るだけでそんなに変わるのか?
僕にとってはショックな話でした。今まで信じていたことがここでまた大きく覆されてしまったのですから。
今の時代の読者からすれば信じられない理由であろう。だが我々の時代はここまで考えなければならない時代だった。
僕の父さんは商人でした。商人はうまくいけば大金持ちになれるけど、何かあれば全財産を失うこともある。常に危険と隣り合わせの人生だからこそ、家族でも財産でも分けた方がいいと考えたかもしれません。
余が修道院に入れられたのは理由は全く違うが、父上はもしかしたら修道院にいる子が最後まで生き残ると考えたかもしれない。戦場には常に危険がつきまとう。子供を修道院に入れるのはそこが1番安全な場所でもあったからだ。実際に余は兄弟の中で1番長生きした。
修道院は長生きできる場所です。ニコラさんなんて90歳以上になっても元気でしたから。
修道院という場所は化け物みたいに長生きする修道士がゴロゴロいるのか。
人を化け物のように言うのはやめて欲しいが、確かに修道士には長生きする者が多い。戦争に巻き込まれることが少なく、規則正しい生活をするのがその理由であろう。
でもいくら長生きできると言われても、僕たちのような若者は修道院に入れられるのは嫌です。今までの生活を全て捨てなければいけないのだから。
僕も本当に嫌でした。でも父の考えを知って・・・複雑な気持ちです。
家族が一緒に仲良く暮らすことができない、16世紀は厳しい時代でもありました。その理由については『異端審問で殺された家族』も合わせて読んでください。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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