クラウディオス・プトレマイオス(7)

文字数 976文字

クラウディオス・プトレマイオスについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
プトレマイオスの宇宙論は、アリストテレスのものに近く、周転円などの実態は透明な等速回転する球体であって、天体はそれに張り付いているとした。しかし、様々な点でアリストテレスと異なった考えも表明している。例えば、透明な球体の代わりに、上下の不要な部分を切り落とした形状のものでも問題ないとした。これは『アルマゲスト』で球にほとんど言及せずに円で議論を済ませていたことを正当化する。また、天球の動く原因としてアリストテレスは不動の動者を設定し、内側の天球は外接する天球の運動に引きずられるとしていた。つまり、内側の天球の運動は、外接する天球の運動と自ら固有の運動の合成になる。これに対して、プトレマイオスは動物への喩えで惑星の動力因を説明し、アリストテレスが主張したような運動の合成を否定した。これはストア派の影響とされる。
古代の宇宙論はアリストテレスもプトレマイオスも本当に難しいです。
でも僕達の時代まではこのような宇宙論が主流で権威でした。
また、天文学の観点からより重要になるのは、従円と周転円を合理化するために等速の回転運動を全て許容した点で、地球の中心の回転しか認めなかったアリストテレスとはやや異なる立場であった。さらに、エカントに至っては、等速でない回転を許容する。惑星の黄緯度の説明のために、周転円の傾きを振動させたが、この振動に至っては、回転運動で説明できるかどうかも不明だった。最後の2点は、自然学との齟齬を傍らにおいたとしても、不自然であった。
地動説を知っている現代人にとっては、アリストテレスもプトレマイオスも分かりにくくて無理があるように思えます。
『アルマゲスト』『惑星の仮説』の数理的な詳細を省いてその宇宙論を描写した書物も現れ、百科全書的な書物の宇宙論の記述にも影響した。一方、自然学と齟齬を来している部分はさまざまな議論を呼び、プトレマイオスの理論が真の宇宙の体系とみなせるのか、あるいは単なる天体計算のための道具に過ぎないのか、時代や地域、論者によってさまざまな議論が展開された。こういった議論は、コペルニクスが新たな体系を志向するきっかけになる。
さまざまな議論がある中で、観測を続けて独自の体系を作り出したコペルニクスは偉大だと思います。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色