ハンガリー女王マーリア

文字数 1,612文字

ヴェンツェルの異母弟ジギスムントについて話題にしていたのですが、ジギスムントが結婚したハンガリー女王マーリアの王位継承について気になったので調べてみました。作品集には下の画像から入ってください。
マーリア(1371ー1395)はハンガリー女王(1382年ー1385年、1386年ー1395年)ハンガリーとポーランドの王ラヨシュ1世の次女で、母はその2番目の妃エルジェーベト(エリザベタ・コトロマニッチ)ポーランド女王ヤドヴィガの姉である。
在位が1度切れているのは、ナポリ王に王位を奪われた時ですね。
父王の死により11歳足らずで女王として即位、母エルジェーベトが摂政となったが、実権は宮宰として権力を振るってきたミクローシュ・ガライが握った。
もし私が娘のビオランテを後継者にすると遺言を残していたら、アラゴンもこういう状況になっていたと思います。
遺言を残そうとは思わなかったのか?
私はまだまだ元気で子も産まれていましたので、後継者ができると信じていました。まさか46歳で死ぬとは思ってなかったので、遺言など全く考えていませんでした。
1385年にルクセンブルク家のジギスムント(後の神聖ローマ皇帝、ハンガリー王ジグモンド)と結婚した。
この時マーリアは14歳、ジギスムントは17歳です。
同年12月、同族のナポリ王カルロ3世(ハンガリー王カーロイ2世)に迫られて一時王位を奪われたものの、翌1386年2月24日にエルジェーベトの策謀でカーロイが殺害されたことで復位した。
ジギスムントは結婚してすぐから大変な経験をしていますね。
いや、ジギスムントはこんなことで驚くような繊細な神経の持ち主ではない。
しかしカーロイの殺害により、その地盤でもあった王国南方のボスニア地方で貴族ホルヴァート兄弟の叛乱が勃発、政情が不安定化した。
アラゴンでもラミロ2世が王になった時、修道院育ちで政治も戦いの方法も知らない王を馬鹿にして、貴族の叛乱が起きていますよね。
そう、だから余は『ウエスカの鐘』と呼ばれる粛正を行った。
『ウエスカの鐘』の話はアラゴンだけでなく、他の国にも伝わっています。
ガライ、エルジェーベト、マーリアらは叛乱の説得のためボスニア地方に向かったが、その途上の7月25日、ディアコヴァルで奇襲を受け、ガライは殺害、マーリアとエルジェーベトはホルヴァート一派に捕らわれ、ノヴィグラード(現クロアチア領)の要塞に幽閉された。エルジェーベトは1387年1月16日に幽閉先で殺害され、マーリアにも身の危険が及ぶが、最終的には6月4日に釈放された。
貴族の叛乱は怖いですね。僕はラミロ2世の『ウエスカの鐘』の話を聞いた時、正直言ってそこまで残酷なことしなくてもと思っていました。でも実際はそこまで残酷にならなければ王は殺され、王家の血も途絶えてしまうというギリギリの状況だったのでしょう。
私は自分の命が狙われるという危険は全く感じないで生きていました。
一説には、これらの奇襲・幽閉劇はマーリアらと折り合いが悪かった夫ジギスムントが仕掛けたとも言われる。
え、まさか、そんなことがあるなんて。すごくショックです。
僕も今の話を聞いて驚きました。
フアン1世がいた頃のアラゴンはかなり平和だったようだ。余は別にこういう話を聞いても驚かない。むしろその後のジギスムントの行動から考えれば、それもありうると思える。異母弟ジギスムントは余とは比べ物にならないほどしたたかだった。
釈放後は、夫ジギスムントがハンガリー王に即位して実権を握り、マーリアは象徴的な地位にとどまった。1395年に死去し、ジギスムントとの間に子供がなかったため、ハンガリーにおけるアンジュー家の血筋は断絶した。
ボヘミアやハンガリーの王位争いは、イングランドやフランスとは違う怖さがあります。誰を信じたらいいかわからない、深い森に魔物が潜んでいていつ命を狙われるかわからない、そんな怖さがあります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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