トマス・ミュンツァー(1)
文字数 1,073文字
ルターの推薦でツヴィッカウの説教者となり、そこでアナバプテストの労働者と接触し、その後行動をともにするようになる。ヨハネス・タウラーやエレミア書に関するフィオーレのヨアキムの注釈などの神秘主義思想家の著作を研究し、聖職者と金持ちを攻撃し天国の到来を説き、財産の共有を基礎にした社会秩序の改革を訴えたために、ツヴィッカウを追放されプラハとノルトハウゼンをへて、アルシュテットに落ち着き、共産主義生活の集落をつくり、説教活動の中心地とした。
彼の説教は農業や林業で暮らす労働者に強い反響を呼び、ミュンツァーは次第に、下層階級の要求を弾圧し、諸侯に妥協しているルターの姿勢を批判するようになる。ルターの側もミュンツァーを<アルシュテットの悪魔>と呼びつらい、ザクセンの諸侯を扇動したが、諸侯はミュンツァーの影響力をはばかり、あえて暴力的方策がとれなかったという。
ドイツは諸侯が争いまとめるのが難しい国だった、だからこそルターの宗教改革が成功し、ミュンツァーのような者が出たのではないでしょうか。ルターは諸侯を味方につけ、ミュンツァーは農民や労働者を味方につけました。現実的に虐げられ不満を持っている人ほど今の不公平な時代は終わって新しい時代が来るという思想に夢中になります