サン・ペドロ・エル・ビエホ修道院

文字数 924文字

今日はウエスカにあり、パネルの写真も撮ったサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院を紹介します。作品集には下の写真から入ってください。
この写真は修道院の入り口になります。旧市街の目立たない場所にあって、周りは新しい建物なのにこの中だけは別世界になっています。
1つ質問ですが、ビエホというのはスペイン語で古いとか年を取っているという意味ですよね。僕の生きていた16世紀には確かに昔の古い建物になっていますが、12世紀にできた時はまだ新しいのに、どうして古いという名前をつけたのですか?
確かにスペインの修道院はそういう名前多いです。他にもポブレ、貧しいという名前のすごく大きくて豪華な修道院もあります。
修道院は修道士が修行をし、神に祈りを捧げる場所である。新しいとか豪華などという名前をつけたら、それだけで人間の傲慢さを示してしまう。だからできたばかりの修道院でもあえて古いという名前にする。


そういうことですか。
この写真は小説の表紙でも使っていますが、古い時代の彫刻が見事に残った柱です。この修道院は古い彫刻がそのままの形で残っていて、スペインの方はみんなこの柱の前で写真を撮っていました。
王家の霊廟とパネルの前では誰も写真を撮っていなかったのか?
私だけです。そもそもサラゴサ、ウエスカ、モンソンでは全く日本人の姿は見ませんでした。バルセロナにはたくさんいたのに。
ウエスカのサン・ペドロ・エル・ビエホ修道院は余が長年住んでいたというだけでなく、12世紀の建築がそのまま残り、初代の5人の王の霊廟もある、アラゴンの歴史や文化を知るためには欠かせない素晴らしい場所なのに、日本では全く知られていないのか。
そうですね、日本ではアラゴンの知名度は低いです。
ああ懐かしい。この柱の1本1本に素晴らしい彫刻が施されているから1日見ていても飽きない。
確かにそうですな。作者も含め、日本人はどうも有名な観光地にばかり行きたがる。歴史を今に伝えるこうした場所にも目を向けて欲しい。
ウエスカはサラゴサから電車で1時間弱、おもな見どころは歩いてまわれる小さな街ですが、かわいい雑貨店やカフェもたくさんある素敵な街です。そして安全で街の人もみんな親切、ぜひ多くの人に訪れて欲しいです。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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