フルドリッヒ・ツヴィングリ(3)

文字数 1,012文字

フルドリッヒ・ツヴィングリについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ルターと同じようにキリスト教の信仰の基準を「聖書のみ」と考えたツヴィングリは、キリスト教刷新運動に乗り出すが、それは単に宗教改革の枠を超えて社会変革を志向したものであった。このため、ツヴィングリはチューリッヒ市参事会に改革への協力を求め、参事会もこれに答えた。これはツヴィングリが、すでにチューリッヒで大きな影響力を持つ存在になっていたことを示している。彼は聖書に根拠が見つからない全ての教会制度の破棄を、参事会を通して呼びかけさせたのである。
ツヴィングリもまた思い切ったことをして教会の制度を変えようとしていますね。
チューリッヒ市はカトリック教会支持派とツヴィングリ支持派に分かれた。数年にわたる争いの末、最終的にツヴィングリの意見が勝利し、教皇制度と教会の聖職位階制度(ヒエラルキー)は否定され、市内の教会の聖画・聖像は破壊、修道院は閉鎖された。
私は芸術が大好きなので、教会の聖画や聖像を破壊し、修道院を閉鎖したというのはやり過ぎだと思います。
僕はツヴィングリはギリシャ語やヘブライ語を学んだ人文主義者だからもう少し穏やかなやり方で宗教改革を進めることができると期待しましたが、やっぱり今までのカトリックの制度を否定して芸術品を破壊したり修道院を封鎖するという極端で暴力的なことをしていてがっかりしました。
同時にツヴィングリは司祭独身制も不要なものと考えて撤廃したが、これは教義的な理由というよりもすでに自分がアンナ・ラインハルトという未亡人と同棲生活をしていたからであったといわれている。ミサだけは一般庶民への影響も考えて、しばらくは旧来の形式が保持されていた。
結局は自分の都合で教義を作っているのですね。
改革が十分に進んだと見たツヴィングリは1525年4月13日、聖木曜日にミサを廃止し、自らの考案した「主の晩餐」の式を初めて行った。従来のカトリック教会の典礼になじんだ人々にとって、すべてが変えられた典礼はショックであったが、ツヴィングリにとってはその日こそがチューリッヒの宗教改革の完成を見た日となった。
ツヴィングリは本当にうまいやり方をしています。最初に制度を批判して芸術品を破壊し、修道院を封鎖して他の者が力を持たないようにし、最後にミサのやり方まで変えたので、不満を持つ者がいても逆らえなくなっているのです。敵ながら見事です。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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