フアン1世とマルティン1世

文字数 1,662文字

今日はフアン1世と弟のマルティン1世についてを話題にします。作品集は下の肖像画から入ってください。
また私の大きな肖像画を使っていただき、ありがとうございます。
不真面目王フアン1世については何度か小説にも書き、このチャットノベルでも話題にしてきました。でもフアン1世の後にアラゴン王位を継いだマルティン1世については私自身ほとんど知りませんでした。
フアン1世は弟なのだからよく知っているのではないか。
余の場合は父上や弟たちとは離れて暮らしていたからほとんど知らなかった。
フアン1世には娘のビオランテがいた。余が娘のペトロニーラを跡継ぎとしたように、ビオランテを女王にすることもできたはずなのになぜそうしなかった?
そのことについて説明します。私フアン1世は1350年に生まれて1396年に45歳で死んでいます。娘のビオランテは1384年に生まれて1400年にアンジュー公ルイ2世と結婚しました。
つまりビオランテが結婚したのはフアン1世が死んでから4年後のことだったのか。
はい、それに当時の私にはビオランテ以外にも次々と子供が生まれていたので彼女を女王にしようとは考えませんでした。結局生き残ったのは前の妻との間に生まれた娘とビオランテの2人だけでしたが・・・
余は娘のペトロニーラが生まれてすぐ王妃とは離婚した。最初に生まれた子に王位を継がせると決めていたから迷いはなかった。
フアン1世は突然亡くなっているので、本人もそんなに早く死ぬとは思ってなかったと思います。そして弟のマルティン1世がアラゴン王国を継ぐことになりました。これがマルティン1世の肖像画です。
この肖像画は埋葬されたポブレ―修道院にあります。
え、これがフアン1世の弟ですか?こう言っては失礼だけどフアン1世やペドロ4世と全然似てないです。
マルティン1世は1356年に生まれたのでフアン1世よりも6歳年下になります。1373年に結婚したマリア・デ・ルナとの間に1374年に同じ名前の息子マルティンが生まれているので区別するために父を老マルティン、子を若マルティンと呼んでいます、
息子に同じ名前をつけるとややっこしくなる。
1390年に若マルティンはシチリア女王マリアと結婚します。1392年に老マルティン、マリアとともに軍勢を引き連れてシチリアへ侵攻し、反抗する諸侯を破りました。この時老マルティンは36歳、若マルティンは18歳です。
老マルティンと呼ばれても実際は36歳で諸侯と戦っているのだから全然老人ではない。
1396年、老マルティンがアラゴン王位を継いでマルティン1世となります。この時40歳です。若マルティンはマリアと結婚した1390年からシチリア王マルティーノ1世となり、マリアが1402年に亡くなるまで共同統治をします。
なんかややっこしくなってきた。
シチリアの女王マリアというのはペドロ4世とナバラ女王ファナ2世の王女マリアの娘コンスタンサがシチリア王フェデリーコ3世の妃となって生まれた娘なので、私とマルティンとは従妹になります。
ややっこしくてよくわからないが、要するに弟マルティンは息子をシチリア女王と結婚させてシチリアを手に入れようとしたわけか。
まあそうですね。私の甥の若マルティンはシチリア王マルティーノ1世となり、マリアの死後はバルセロナ家とアンジュー家との間で結ばれていたヴィルヌーヴ条約を無視して単独でシチリア王として支配を続けました。
でもマルティン1世の息子マルティーノ1世は1409年に跡継ぎとなる子がいないまま亡くなりました。35歳でした。その時マルティン1世はシチリア王マルティーノ2世として息子の王位を継ぎます。53歳でした。そして1410年にはマルティン1世自身も亡くなり、アラゴンは王位を継ぐ者がいなくなります。
弟のマルティンは私以上に歴史の中で知られていませんが、息子と一緒にシチリアの支配を確実にするために戦い、晩年はシチリアの王位も得ていました。それでも後継者がいなかったため、歴史の中で忘れられた王となってしまいました。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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