ブランカ1世

文字数 1,612文字

フェルナンド2世の母フアナ・エンリケスについて話題にしたので、カルロス・デ・ビアナの母ナバラ女王ブランカ1世についても紹介します。作品集には下の画像から入って下さい。
素晴らしい女性ですね。女王らしい気品あふれる姿、さすがカルロス・デ・ビアナの実の母です。
フェリペよ、君はどうも実の母は上品で優しく継母は意地悪であるという信念を持っているようだ。
僕は継母に苛められて修道院に入れられたのでそう思ってしまうのです。
歴史について深く知るためにはそういう信念は外した方がよい。人間は一言で簡単に説明することはできない。
わかりました。
ブランカ1世はナバラ王カルロス3世とカスティーリャ王エンリケ2世の娘レオノールの長女です。
生まれも育ちもよさそうですね。女王となる女性はやはり違います。でもエンリケ2世というのはどこかで聞いたような・・・
エンリケ2世というのはカスティーリャ王アルフォンソ11世と愛妾レオノール・デ・グスマンの子である。
漫画に出てくるペドロ1世とエンリケ2世の血はいろいろな王家に流れています。
ブランカ1世の父ナバラ王カルロス3世は『高貴王』その父カルロス2世は『邪悪王』と気になる名前で呼ばれていますが、長くなるのでここでは省略します。
何をして『邪悪王』と呼ばれるようになったか気になるところである。
王様のあだ名って結構ひどいものがありますよね。フアン1世の『不真面目王』もインパクトありますが、『邪悪王』はそれを上回っています。
実はブランカ1世はフアン1世とも関係があります。
え、どこで関係があるのですか?ブランカ1世は1387年から1441年、私は1350年から1396年、年代はほとんど重なっていないです。
フアン1世が亡くなった後ですが、ブランカ1世はシチリア王マルティーノ1世と1402年に結婚しているのです。
マルティーノ1世というのは私の弟マルティンの子、つまり私の甥ですか?
マルティーノ1世は1390年にシチリア女王マリアと結婚してシチリア王になりました。その後ナバラ女王となるブランカ1世と結婚しました。
余の子孫の中でもマルティーノ1世は影が薄かったが、女王2人と結婚していたのか。
マルティーノ1世とブランカ1世の子マルティーノ(1403ー1407)は夭折してしまいました。
惜しいことをした。もし2人の子マルティーノが長生きしたら、彼はアラゴン、シチリア、ナバラと3つの国の王になることができた。
もしそうやって弟マルティンの家系が続いていれば、私の評価もただ狩猟の好きな『狩猟王』にとどまって『不真面目王』などという名前はつかなかったかもしれませんね。
マルティーノ1世は1409年に亡くなり、その10年後の1419年にブランカはアラゴン王フェルナンド1世の次男フアンと再婚しました。
余の妹コンスタンサは最初ハンガリー王妃となったが夫と子を失い、再婚してハインリヒが生まれた。最初の子を失っているだけに、その後生まれた子への思いは特別なものばあったに違いない。
ブランカとフアンの間には4人の子が生まれました。カルロス(1421ー1461)、フアナ(1423ー1425)、ブランカ(1424ー1464)、レオノール(1426ー1479)です。
無事に育った子が3人もいながら、フアン2世は王位のために長男カルロスと対立し、娘のブランカを幽閉し毒殺している、私にとっては許せないことです。私は子を次々と失い、弟のマルティンも自分より先に子のマルティーノが亡くなるという悲しみを味わっています。
余の母上コンスタンサもまた子を失う悲しみを知っていたからこそ余を大切に育ててくれた。
フアナ・エンリケスだけでなく、フアン2世のしたことはあまりにもひどいと思いました。
私は甥のマルティーノがシチリア女王だけでなく後のナバラ女王とも結婚していたということに驚きました。
マルティーノ1世についてはもう少し詳しく調べてみます。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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