ニコラウス・コペルニクス(11)

文字数 893文字

ニコラウス・コペルニクスについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
コペルニクスに転機が訪れたのは1508ー1510年の間と考えられている。この間の経緯は、史料には現れない点が多く、以下に述べるのは科学史家スワードローによる推測である。
コペルニクスは自分の考えがいつどのように変わったかについては記録を残していないのですね。
スワードローによると、コペルニクスが『要約』で、周転円(逆行を説明するための小さな円)と従円(地球を回る大きな惑星の円軌道)が入れ替え可能であることを知ったことは決定的に重要だった。プトレマイオスは「地球から見える惑星の方向(視線)」を計算するために、2つの円(従円<導円>とその上を動く周転円)を用いたが、この円は入れ替えが可能だった。プトレマイオス『アルマゲスト』はこの入れ替えの可能性について混乱した記述をしており、それを正して明快な説明を与えたのは、クシュチーやレギオモンタヌス『要約』であった。
天文学というのは本当に複雑でわかりにくい。
『アルマゲスト』では、外惑星(火星、木星、土星)の周転円(小さな円)の回転は、全て太陽の平均的な平均的な運動と同じだった。そこで、上記の従円と周転円を入れ替えると、それらと太陽を一つにまとめることができる。こうして地球の周りを太陽が回り、その太陽の周りを外惑星が回る、後のティコ・ブラーエのものに似たモデルが得られる。
ティコ・ブラーエほどの精密な観測を行った天文学者もそのようなモデルを考えたということは、それならばうまく説明ができるということですね。
コペルニクスは地球のまわりを回る太陽の軌道の半径を25と置き、惑星の円の大きさを計算して、火星の円の半径は38、木星は130、土星は231とした。これは現在の地球ー太陽間を1天文単位としたときの外惑星の距離と大変近い値である。プトレマイオスの体系では惑星の軌道の大きさは伸縮自在であったが、コペルニクスは惑星が回る円の大きさを決めることができたのである。
計算の仕方はよくわからないのですが、現在とあまり変わらない数字を出しているのは凄いことだと思います。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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