モンソン城への熱い思い
文字数 1,215文字
先日『スペイン旅行の写真』でモンソン城について紹介したのですけど、ここにいる亡霊の方々のモンソン城への思いはまだまだあるようなので、語ってもらうことにしました。作品のページは下の写真から入ってください。
余がモンソン城に行った時は目が見えず、手足も不自由だった。仮面をつけてフェリペの手を握り、少しずつ歩いていた。余は生きていた時、最後の6年は暗闇と絶望のどん底にいた。だがモンソン城に向かって歩いていた時、光に向かっているような気がした。そしてあのキリストの像の前にたどりついた。
余は6年間暗闇と孤独と絶望の中で生きていた。余を捕らえた父上、そそのかした教皇、味方になると言いながら裏切った諸侯、全ての者を恨み、憎みながら生きていてそれは亡霊になってからも続いた。だが、あの道でそういう感情がすべてなくなり、ただ光に向かって歩いているのを感じた。そして奇跡が起きた。余はモンソン城で救われた。