エンリケ2世

文字数 1,526文字

今日はカスティーリャのペドロ1世と戦ってカスティーリャ王となったエンリケ2世について話題にします。作品集には下の画像から入ってください。
エンリケ2世(1334ー1379)はカスティーリャ王国トラスタマラ王朝の初代国王(在位1369ー1379)即位するにあたって協力した貴族、聖職者に多くの領地を与えたため、「恩寵王」と、また出自から「庶子王」と呼ばれる。アルフォンソ11世とその愛妾レオノール・デ・グスマンの子。同母弟妹にファドリケ、テリョ、サンチョ、ファナがいる。現在のスペインでは彼に殺されたカスティーリャ王ペドロ1世の再評価に伴い不人気だという。
エンリケ2世がカスティーリャ王として統治したのは10年とそんなに長いわけではありません。でもエンリケ2世が即位したことでトラスタマラ王朝が始まり、その血はカスペの妥協以後アラゴンと統一後のスペインにも流れています。エンリケ2世の血がカスティーリャとアラゴンの歴史を大きく変えています。
エンリケは長男であったが庶子だったため、王位継承者からは除外され、トラスタマラ伯の養子に出されていた。1351年、父が死去して異母弟で正式な嫡男であったペドロ1世(残酷王あるいは正義王)が即位すると、王位を奪われることを恐れたペドロ1世とその生母によって自身の生母は殺され、自分自身も命を狙われてしまう。
いきなり強烈な経験をしていますね。アルフォンソ11世は自分の死後争いが起きることを予測してなかったのでしょうか?
アルフォンソ11世は1歳で即位して、後見人の争いに苦労しましたが、うまく解決してレコンキスタでも活躍していましたが、ジブラルタル攻略中に黒死病で陣没しました。38歳でした。
その年齢でしかもレコンキスタで活躍していたならば、自分が死んだ後のことまでは考えられないであろう。余もそうであった。まさか自分が戦死するとは少しも思っていなかった。
王が死んで嫡男が即位して愛妾が殺され庶子が命を狙われる、なんか物語に出てきそうな話ですね。
ペドロ1世の母はかなり王の愛妾を憎んでいたと思います。だから息子が即位して邪魔者は理由をつけて殺す、こういうドロドロした話は物語になりやすいから、日本でも漫画になっています。
王妃をないがしろにして愛人を大切にするなど私には考えられません。
このため翌年、フランスやアラゴン王国の支援のもと、ペドロ1世に対して反乱を起こした。ペドロ1世にはエドワード黒太子を中心としたイングランドが支援したため内乱は長期化する。
もしこの時エンリケに味方するのが自分達兄弟だけだったら、おそらく内乱にはならなかったと思います。フランスやアラゴン王国がエンリケを支援したからこそ、大きな戦争になってしまいました。
私の父ペドロ4世はカスティーリャのペドロ1世と戦争をしていたため、エンリケを支援しました。私の結婚ですらフランスの有力な諸侯と同盟を結ぶために使われたのです。
1366年、大軍を率いてカラオラに到達し国王となることを宣言。貴族・僧侶に多額の金銭や領土を与え、国内勢力を次々に味方につける。これは「エンリケの恩寵」と呼ばれている。
金銭や領土をもらったから味方するというのは何かおかしいです。自分の利益だけを考えて、国の運命を左右する戦いに参加するなんて・・・
この時代からもう価値観は変わり始めた。そしてルネサンスをへて、私達の生きている時代はもっと露骨になった。
ナヘラの戦いでペドロ1世とイングランドの軍に敗れるなど、一時は黒太子に追い詰められたこともあったが、1369年にモンティエルの戦いでペドロ1世の軍勢を破り、ペドロ1世を敗死させ(一説にはその手で刺殺し)、王として正式に即位した。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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